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16 章 食品の安全性
7.経口免疫寛容
【解説】
「免疫寛容」とは、体のなかに抗原やアレルゲンが入ったときに、それらと結合する抗体がつくられたりリンパ球が活性化されたりするのを抑制する現象をいいます。「経口免疫寛容」とは、とくに口から食物などを摂取したときに、その食物のなかにアレルゲンが含まれていて、それによってアレルギーが発症するのを抑える現象をいいます。健康な人の場合には、食物に含まれるアレルゲンに対しては免疫寛容が成立しており、IgE抗体の産生などのアレルギー性の免疫応答は誘導されません。花粉のアレルゲンを経口投与することで免疫寛容を誘導し、花粉症(鼻炎)の予防や治療への応用が可能であることが、最近の動物実験で明らかにされています。腸管免疫系および全身免疫系がこれに関与しています。
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