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4章 核酸
1.ゲノム
【解説】
ゲノムとは、ある生物の種が正常に生存するのに必要な一揃いの染色体の組をいいます。真核生物では、DNAに書き込まれた遺伝情報は核の中にタンパク質と結合して存在しており、塩基性の色素で染まりやすいことから染色体と名付けられました。なお、核構造を持たない原核生物の遺伝子群や、ミトコンドリア、葉緑体の遺伝子群も染色体と呼びます。通常の二倍体細胞では、その半数体に含まれる遺伝情報を意味します。
ヒトゲノムのDNAは約30億塩基対。進化の過程でゲノムサイズは大きくなりますが、その間にガラクタのDNAも増えるため、進化のある時期には整理縮小化が行われます。そのため、遺伝子数とゲノムサイズは必ずしも比例しません。
ヒトのゲノムの塩基配列が解読され、いろいろな病気の原因となる遺伝子が明らかになり、その知見に基づいて医薬品を開発する「ゲノム創薬」への取り組みが、一層活発に行われています。
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