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15 章 遺伝子組換え食品
6.安全性を巡る論議
【解説】
害虫抵抗性作物には、害虫を殺す作用のある細菌毒素の遺伝子や組換え体選抜のための抗生物質の遺伝子が導入されています。毒素タンパク質(Bt毒素)や抗生物質の安全性も確認されています。一般的に、作物に導入された遺伝子(DNA)やその産物であるタンパク質は、調理・加工や消化の過程でその機能が失われたり(変性)分解されます。従って、細菌の遺伝子がヒトの細胞や腸内細菌に組み込まれるという可能性はほとんどありません。害虫抵抗性作物により、害虫がBt毒素に耐性になる可能性があるため、混植など栽培法の工夫も検討されています。
【用語説明】
Bt毒素
Bacillus thuringiensisという細菌がつくる殺虫性タンパク質。微生物農薬として利用されています。
混植(separate refuge)
遺伝子組換え作物の栽培区域に、非遺伝子組換え作物(従来の作物)栽培区域も設けることをいいます。Bt毒素耐性害虫と感受性害虫(従来の害虫)を交配させることにより、この害虫集団における耐性害虫の出現頻度を低下させる方法です。遺伝子組換え作物と非遺伝子組換え作物(従来の作物)を区域を分けずに混植する方法(mixed refuge)もあります。
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