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13 章 微生物や動物細胞が生産する薬

4.広義の抗生物質―免疫抑制薬、高脂血症治療薬
【解説】
●免疫抑制薬
 自己免疫疾患の治療あるいは臓器移植における拒絶反応の制御に使われる薬です。FK506(タクロリムス)などが知られています。FK506は、茨城県筑波山麓の土壌から分離されたストレプトミセス属の放線菌により生産される免疫抑制効果を示す抗生物質です。肝移植・腎移植・骨髄移植などにおける拒絶反応の抑制薬として、日本、アメリカ、ヨーロッパなどで使われています。

●高脂血症治療薬
 血液中の脂質であるコレステロールや中性脂肪などが、正常より多い状態(動脈硬化の原因になる場合が多い)を改善する薬です。プラバスタチンなどが知られています。プラバスタチンは、ペニシリウム属のカビが生産するメバスタチン(ML-236B)という化合物を水酸化することにより、さらに活性が強くなった物質です。日本で生まれた高脂血症治療薬として認可され、日本、アメリカ、ヨーロッパなどで使われています。

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