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12 章 特定保健用食品・機能性食品

9.特定保健用食品になることが期待されるもの
【解説】
 「アトピー性皮膚炎の症状を改善する食品」や「免疫力を高める食品」などはすでに開発が進み、特定保健用食品の候補と考えられる食品ですが、医薬品との機能範囲の解釈や薬事法絡みの表示表現の問題、日本人を用いたヒト試験での有効性、安全性などが不十分であるなどの理由で、まだ特定保健用食品として許可されていません。今後の開発、許可が待たれます。  自然界や日頃食べている食材の中にはまだまだ有用な健康機能があるので、それらの素材・成分の探索・開発と、健康機能性食品への活用が期待されます。その1つとして、「動脈硬化の予防」に関与する活性酸素を効果的に消去するカテキン、ケルセチン、フラボンなどのフラボノイドやクロロゲン酸などを含む抗酸化食品がありますが、現在のところまだ許可されていません。

【用語説明】
抗酸化食品
 動脈硬化予防には、酸化変性したLDL-コレステロールの量を増させないために、悪玉とされているLDL-コレステロールの量を増加させないことと、LDL-コレステロールを酸化変性させないことが重要です。そのためには、水層のフリーラジカルに対して最も強力な抗酸化作用を発揮するビタミンCやビタミンE、β‐カロテン、フラボノイドや、活性酸素を効果的に消去する酵素系を強化するタンパク質やミネラルをバランスよく摂取することも必要です。
 食品に含まれている代表的なフラボノイドとしては、カテキン(赤ワイン、日本茶、紅茶、カカオ)、ケルセチン(タマネギ、ブロッコリー)、イソフラボン(豆腐、納豆、醤油、味噌などの大豆製品)などがあります。また、クロロゲン酸を含むコーヒー、セサミノールを含むゴマなども重要な抗酸化食品です。

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