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7章 植物の生活環
9.受精 - アブラナ科植物
【解説】
アブラナ科植物における自己不和合性は、雌ずい因子としてのSRKと呼ばれる受容体型キナーゼ「リン酸化酵素」と、花粉因子である葯のタペート細胞で作られ花粉表層に移行するSP11と呼ばれるリガンド分子が、相互作用することにより起こることがわかっています。
受粉時に花粉表層から放出されたSP11は、乳頭細胞膜上のSRKと結合し、それを活性化(自己リン酸化)します。このSRKの活性化が引き金となって不和合性反応が起き、自己の花粉の発芽伸長が阻害されるものと考えられています。
非自己の花粉のSP11はSRKと結合しないため、不和合性反応は起きず、花粉は乳頭細胞内へと侵入していくことができます。
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