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6 章 微生物の生活環と有用微生物

8.乳酸菌とビフィズス菌
【解説】
●乳酸菌
 「乳酸菌」には15の属があり、Lactobacillus属が一番大きなグループです。ボール状の球菌や棒状の桿菌などいろいろな形があります。乳酸菌は、1)グラム染色で陽性、2)芽胞を作らない、3)DNAのG+C含量が53%以下、4)糖からの発酵代謝物は主として乳酸であること――などが特徴です。糖源を利用して乳酸をつくり、環境pHを下げることで他の菌の増殖を強く抑える性質は、広く食品で利用されています。最近では、腸内に棲む乳酸菌が、プロバイオティクスとして注目されています。                 

●ビフィズス菌
 「ビフィズス菌」は電子顕微鏡で見ると枝分かれがあり、Bifidobacteriumという属名で、一般の乳酸菌とは区別されます。ブドウ糖から酢酸と乳酸を3:2の割合で作り、酸素が存在すると成育できません(偏性嫌気性菌)。昆虫から温血動物の腸管まで広く存在し、善玉菌に含まれます。この菌の多い腸内菌叢を「ビフィズスフローラ」と呼び、特異的に成育を促進させる成分を、「ビフィズス因子」と呼びます。発酵乳に広く利用され、わたしたちの腸内健康を守る重要なプロバイオティクスの1つと考えられます。

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