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5章 物質の代謝
14.フェニルプロパノイドの生合成経路
【解説】
フェニルプロパノイドは、さまざまな生理活性をもち、古来生薬成分として無意識的に広く利用されてきました。その後、科学の発達により、植物からの抽出精製を経て、医薬品原材料として使用されるようになりました。一方、フェニルプロパノイドには、食品の色素や香料として用いられるものが多数あります。また、赤ワインのポリフェノール(タンニン)、ダイズのイソフラボンやブルーベリーのアントシアニン(フラボノイド)、ゴマのセサミン(リグナン)など、最近、いわゆる健康に良いとされる植物成分の多くがフェニルプロパノイドおよびその関連化合物です。モノマーが重合してできる高分子化合物であるリグニンは、植物体の強度維持等に役立っています。
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