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5章 物質の代謝

10.一次代謝・二次代謝
【解説】
 核酸、タンパク質、脂質、糖質およびこれらを構成する成分は、いずれの生物にとっても不可欠な生体成分です。これら成分の生合成や変換に関わる経路やエネルギー生成系は、生物の種類を問わず生命を維持する上で不可欠で、「一次代謝」と呼ばれています。一次代謝は、生物間で普遍性、規則性があるのが特徴です。
 これに対して「二次代謝」は、個体の成育には直接関与せず、一次代謝に付随して分岐した代謝と定義されます。生成物の化学構造と生物活性に多様性、特異性があります。二次代謝によって生産される物質が二次代謝産物であり、大部分が植物、微生物あるいは海洋生物由来です。抗生物質をはじめ有用物質が数多く含まれ、医薬、農薬などに利用されています。カビ毒、フグ毒などの有害物質も含まれています。
 一般に二次代謝産物は、化学合成によってつくり出される化合物に比べ、ユニークな化学構造と強力な生物活性を有しています。生合成経路の違いによって分類されており、酢酸を原料とするポリケタイド類やテルペン類、糖を原料とする配糖体類、アミノ酸を原料とするアルカロイド類、シキミ酸を原料とするフラボノイド類などがあります。

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