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5章 物質の代謝

9.カルビンサイクル(暗反応)
【解説】
 光合成の炭酸ガス固定は、光エネルギーから合成されたATP とNAD(P)Hを用いて「カルビンサイクル」という代謝経路で行われます。カルビンサイクルの13の酵素触媒ステップは炭酸ガス固定、還元、リブロース1,5-ビスリン酸再生の3過程に分かれます。
 炭酸ガス固定の過程はリブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(Rubisco)に触媒され、CO2とリブロース1,5-ビスリン酸から2分子の3-ホスホグリセリン酸が生じます。第2過程は還元反応で、ATP を用いて3-ホスホグリセリン酸が1,3-ビスホスホグリセリン酸に変換され、続いてこれがグリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼでNAD(P)Hにより還元され、グリセルアルデヒド3-リン酸を生じます。この過程でCO2はCH2O のレベルまで還元されます。次の段階であるリブロース1,5-ビスリン酸再生過程では、3、4、6、7炭糖間で一連の縮合・転移反応が行われて5炭糖が生成します。最後に5炭糖であるリブロース5-リン酸にホスホリブロキナーゼの触媒でリン酸が付加されてCO2の受けてであるリブロース1,5-ビスリン酸が再生されカルビンサイクルが完結します。
 植物においてカルビンサイクルは葉緑体内で働いており、カルビンサイクルで固定された炭酸ガスはデンプンなどをつくるのに使われます。

※他頁で用いている炭酸固定、二酸化炭素固定と同義。

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