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5章 物質の代謝

7.光化学系の基本構造と機能
 - クロロフィル蛍光の測定例
【解説】
 葉緑体での遺伝子機能や遺伝子発現に関係する遺伝子に変異がはいった突然変異株(左図 mt)は、光合成活性が低下するため、生育が遅く、変異のない植物(野生型と呼ぶ。左図 WT)と比べて植物のサイズが小さいままです。生育を比較するだけでは、生育低下の原因はわかりませんが、クロロフィル蛍光測定により、光合成活性のパラメータ(右図 Fv/Fm)を比較すると変異株では、野生型に比べ光合成が低下(画像解析では青く見える)していることがわかります。この方法を応用して、生育にはあまり差のないような多種類の突然変異体の中からも、光合成に関連する遺伝子に変異のある植物を簡単に選びだすことができます。その植物をさらに調べ、どの遺伝子が変異しているか突き止めることで、光合成についての新しい研究につながることもあります。実際、この方法で数多くの重要な発見がなされています。

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