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2 章 糖質(炭水化物)
10.セルロースの構造
【解説】
木材、紙あるいは木綿の主成分はセルロースという多糖で、植物の細胞壁の構成成分です。このセルロースもブドウ糖が多数鎖状に結合したものです。この点ではデンプンと似ていますが、セルロースはブドウ糖がβ-1,4 結合したものであり、わたしたちの体内にある消化酵素では分解できません。野菜など食品中に含まれるセルロース画分は、以前は非栄養成分として無視されていましたが、近年は食物繊維としてわたしたちの健康維持に重要な働きをしていることがわかってきました。
シロアリやカビなどの微生物では、セルラーゼという酵素を使ってブドウ糖に分解し、栄養源としています。将来、この強力なセルラーゼを精製することができれば、セルロースから工業的にブドウ糖を生産することも夢ではありません。
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