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1 章 アミノ酸・ペプチド・タンパク質

10.酵素の性質
【解説】
 生体内で行われる化学反応(生化学反応)を効率よく進行させるための「触媒」が酵素です。1926年、アメリカのサムナーは尿素分解酵素(ウレアーゼ)を結晶化し、酵素の本体がタンパク質であることを世界で初めて明らかにしました。
 酵素による生化学反応の特徴は、1)穏和な条件(常温、常圧、中性pH)で進行する、2)複雑な反応を、秩序を保ちながら順々に進行する、3)特定の物質(基質)に対してのみ反応を進行する――などがあげられます。
 酵素は、特定の物質(基質)にのみ作用します。この性質を「基質特異性が高い」と表現します。たとえばグルコースオキシダーゼは、グルコース(C6H12O6)を酸化してグルコノラクトンに変換する酵素ですが、グルコースの異性体であるフルクトース(C6H12O6)には作用しません。

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