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20章 循環型・共生社会への脱皮

11.グリーンプラスチックの概念
【解説】
 廃プラスチックが、地球環境汚染の要因の1つとして社会問題となっています。この問題を軽減する1つとして、生分解性プラスチックがあります。日本ではグリーンプラスチック(愛称はグリーンプラ)という呼称で普及に努めています。グリーンプラスチックとは、たとえ自然環境へ放出されても微生物により分解され、最終的に水と炭酸ガスになるプラスチックをいいます。炭酸ガスは再び植物によって固定され、再生可能資源として利用できます。

●農芸化学における期待
 2005年度の農芸化学会大会では、ポスター発表の12分野の中に「環境科学」が設けられました。125のポスター発表は全体の約5%を占めるまでになっています。それ以外にも、合成物質の分解や変換など関連した研究も増えています。さらに、酵素や微生物プロセスなどまで含めると、農芸化学分野で占める割合は非常に高くなります。化学物質の生物影響評価、生物を利用した環境計測や環境改善は、化学と生物にまたがる農芸化学の得意分野の1つなのです。

【用語説明】
生分解性プラスチック
 ポリエステルやポリカプロラクトンは合成高分子ですが、生分解性を有しています。ある種の細菌は、プラスチックの一種であるポリヒドロキシ酪酸を貯蔵物質として蓄積します。そして生育のための炭素源を変えて培養すると、(炭素源に応じて)異なる化学構造の類似プラスチックがつくられています。それをポリヒドロキシアルカノエートと総称しています。食品廃棄物などから発酵法でつくられる乳酸を、化学合成法を用いてポリ乳酸として利用することも可能です。

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