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19章 エネルギー資源とバイオマスへの転換
9.バイオ電池の特徴
【解説】
バイオ電池は、酵素(微生物)の選択により、生物が食物とする糖、アルコール、アミン、水素など、多種多様なバイオマスを燃料として用いることができます。燃焼という熱エネルギーを介した低効率な変換系とは対照的で、地球レベルの炭素(あるいは窒素)循環系を崩さない利点もあります。また、通常の白金触媒による燃料電池と比べると、反応中間体による電池系の被毒、損傷もなく、系が非常に簡単であり、イオン交換膜、ケース、あるいは改質器なども不要で、サイズに自由度が生まれるなど、非常に多くの利点があります。バイオ電池はまさに、生体のエネルギー変換系を高度に模倣・利用した未来型エネルギー変換システムとして位置付けることができます。
●バイオ電池の特徴〔PEFC・DMFCとの比較〕
燃料:水素、アルコール、糖、アミン類など
触媒:酵素もしくは微生物菌体
構成:シンプル
サイズ:マイクロサイズからメートルまで
作動温度:一般に15〜45℃
自由度の高い電池(酵素機能を利用するため生まれる利点)
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