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18 章 農薬の正しい理解
2.農薬における選択性
【解説】
生物間で化学物質の作用が異なって現われることを「選択性」といいます。
化学物質を医薬や農薬として使用する場合、特に重要な性質であり、有害微生物や害虫などの標的生物に作用し、他の有益な生物や哺乳類には害を与えないことが必要とされます。
昆虫における脱皮や、植物における光合成や微生物の細胞壁のように、それぞれの生物に特有の機能や組織をターゲットとする薬剤は高い選択性を示します。そのほかにも、体内での移行や代謝能力、あるいは薬物が作用する場所の性質が生物間で異なることなどで選択性を示す化合物が見出され、農薬として利用されています。
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