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15 章 遺伝子組換え食品

8.実質的同等性とファミリアリティーの原則
【解説】
●実質的同等性
 「実質的同等性」は、遺伝子組換え作物の安全性評価の概念です。過去からの食経験に基づいて安全であるとされる作物を基準にして、遺伝子組換え作物の安全性が評価されます。遺伝子組換え作物と従来の作物とが「実質的に同等である」と判断されれば、遺伝子組換え作物の安全性も従来の作物と同じとみなされます。しかし、概念で安全性は確保できません。リスクとベネフィットは常に共存し、科学も100%の安全性を保証しません。食経験のない植物であっても、遺伝子組換え技術により食料として利用していくことも大切です。この概念の広い適用を考える必要があります。

●ファミリアリティーの原則
 遺伝子組換えは自然界でもみられる現象であり、「自然の摂理」に背くものではありません。しかし、この技術によりつくり出される遺伝子組換え作物は、新しい機能を獲得した植物です。「ファミリアリティー(熟知性)の原則」は、遺伝子組換え作物の環境に対する安全性を評価する概念です。つまり、遺伝子組換え作物は、国際的なルールである「実質的同等性」と「ファミリアリティーの原則」に基づいて、その健康と環境への安全性が審査されます。「従来の作物と同じように栽培し、食べても大丈夫」と結論されたものだけが使用される仕組みになっています。

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