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9章 遺伝子組換え

6.遺伝とは何か? 遺伝子との関係
【解説】
 遺伝とは、親の性質が子に伝わること、あるいは子供が親に似ている現象だと説明されます。そういう親から子へ特徴が伝わる際の規則性を見いだしたのがメンデルです。遺伝において親から子に伝わる基本的な因子を遺伝子と呼びます。
 では遺伝子の実体は何でしょうか? ここですぐにDNAと答えてしまってよいでしょうか?たしかに生物の教科書では、20世紀前半にグリフィスやアベリー(エイヴリー)が肺炎球菌を使った実験を行い、DNAを取り込んだ肺炎球菌の性質が変わったから、遺伝子はDNAであることがわかったと習います。しかし、肺炎球菌の実験によって、ヒトの親子が似ている現象がどう説明されたのでしょうか? DNAを取り込んだ細胞の性質は変化しましたが、それは親子が似ていることと同じことでしょうか? ここで、細胞レベルの遺伝現象と、個体レベルでの遺伝現象を区別して理解する必要があります。

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