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8章 動物の生活環

12.フェロモンの受容機構
【解説】
 昆虫の触覚はさまざまな匂い成分物質を感知しますが、とりわけフェロモンには高感度に反応します。切断した触覚を電極間に固定し、吹き付けたフェロモンによって生じる電位差を記録する(触覚電位図)手法は、再現性のよい生物検定法として活用されています。
 多くの雄蛾の触角は、性フェロモンを感知するために櫛上に分岐し、感覚毛を突き出した多数の感覚細胞が並んでいます。その感覚細胞から伸びた樹状突起上にレセプターが存在しますが、感覚子液で覆われているため、小孔を通り抜けた匂い物質は15〜17KDaのタンパクに結合し、レセプターまで輸送されます。フェロモンに特異的に結合するPBPやその他の匂いに関与しているGOBPのアミノ酸配列が、多数報告されています。最近、カイコでフェロモン受容体に対応する遺伝子が特定され、匂い受容機構が解明されつつあります。

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