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6 章 微生物の生活環と有用微生物
6.腸内フローラと常在細菌
【解説】
●常在細菌
哺乳類の腸内には数多くの種類の細菌が存在し、「常在細菌」と呼ばれます。ヒトの腸内には、数百種類、100兆個以上もの細菌群が存在しており、「腸内フローラ(細菌叢)」と呼ばれます。腸内には宿主の健康に害を及ぼす「悪玉菌」と、健康にとって有益な「善玉菌」、さらにはその中間の菌が共生しており、一定のバランスを維持しています。腸内常在性の乳酸菌は善玉菌と考えられ、その一部はプロバイオティクスとして、健康の増進目的である「特定保健用食品」などにも利用されています。
●善玉菌と悪玉菌
ヒトや動物の腸管内には、多数の微生物が存在しています。これらは、宿主に対して良い影響や効果をもたらす「善玉菌」(有用菌)、また悪い影響や効果をもたらす「悪玉菌」(有害菌)に区別されます。ヒト腸管における善玉菌の代表はビフィズス菌や乳酸桿菌であり、悪玉菌の代表は、ユウバクテリウムやバクテロイデスなどがあります。また、免疫力が低下したときなどに発症の原因となる、日和見感染菌が腸管には存在することも忘れてはならない点です。
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