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4章 核酸

2.DNAとRNAの種類と構造
【解説】
 核酸とは、すべての生物の細胞内に存在し、ヌクレオチドの並び方によって、タンパク質を構成するアミノ酸の並び方を決めています。そのタンパク質生成情報を通じて、生物の遺伝現象を司っている重要な高分子物質です。五炭糖(ペントース)、核酸塩基、およびリン酸からなるヌクレオチドを基本単位とし、各ヌクレオチドの五炭糖の5’-位と3’-位の炭素がリン酸を介してそれぞれ他のヌクレオチドとつながった、長い鎖状のポリヌクレオチドです。
 糖部分がデオキシリボースであるデオキシリボ核酸(DNA)と、リボースであるリボ核酸(RNA)の2種に大別されます。核酸塩基にはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、およびDNAの場合はチミン(T)、RNAの場合はウラシル(U)のそれぞれ4種類が存在します。DNAでは、2本のDNAの間でAとT、GとCが水素結合をすることにより、2本の鎖が直線状に絡み合った二重らせん構造をとっています。
 DNAは遺伝子の実体であり、一方RNAは、遺伝子からタンパク質を生合成する際の働き手の役割であるとともに、真核生物においては多様な遺伝子発現と精緻な発現制御の役割を担っていることが、最近になってわかってきました。

【用語説明】
ヌクレオチド
塩基と糖とリン酸からなる単位

ヌクレオシド
塩基と糖からなる単位

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