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8章 動物の生活環
3.細胞癌化
【解説】
細胞は自分の置かれた環境や、複製や紫外線などによって生じた遺伝子の傷などを常に監視しており、増殖に適していない状況下では環境の改善、遺伝子の傷が治るまで自らの増殖を止める「チェックポイント」機構が存在します。遺伝子の修復が完了すると増殖は再開されますが、修復が不可能だと修復をあきらめ、細胞は自らを死に追いやることで個体の生存を図ろうとします。しかし、このチェックポイント機構がうまく働かず細胞の癌化が起きると、環境や遺伝子異常を無視して無制限に増殖を繰り返す細胞、いわゆる「癌細胞」となり、個体の生存を脅かす存在になります。
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