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4章 核酸
4.複製
【解説】
親から子へ遺伝情報を伝えるためには、親のDNA の塩基配列を正確にコピーする必要があります。このことを複製といいます。遺伝子の化学的実体であるDNAの二重らせん構造は、意味のある鎖(センス鎖)と、それと対合する塩基がつながった、遺伝子としての意味のない鎖(アンチセンス鎖)とから構成されています。DNAを複製するにあたっては、センス鎖とアンチセンス鎖それぞれの鎖を手本(鋳型)として、AにはT、GにはCという対合する塩基を並べ、それらをつないでいきます。センス鎖からはアンチセンス鎖、アンチセンス鎖からはセンス鎖ができ、元の二重らせんDNAと全く同じ二組の二重らせんDNAが生じます。この一組を子供が受け継ぐことによって、遺伝情報が親から子に伝わることになるのです。
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