大会第一日目の授賞式・受賞講演も完全オンライン形態にて開催することといたします。

日本農芸化学会2022年度大会開催にあたって

宮川 恒

2022年度大会実行委員長 宮川 恒

昨年来、世界に広がった新型コロナウイルス感染症は、日本でもこの夏、著しく蔓延し、9月末になってようやくやや小康状態となったもののまだ収束には遠く、安心はできないもようです。

日本農芸化学会ではこのコロナ禍により、2020年度大会を中止、2021年度大会は一部を除きオンラインで開催しました。次回大会を開催する2022年3月には状況の改善を期待するところですが、まだまだ多人数が一堂に会するのは難しいと考えられ、前回に続きオンラインの形態で開催することにいたしました。

開催地に赴き雰囲気を楽しみながらの研究成果をめぐる議論や情報交換は叶いませんが、一方で移動のコストが軽減し、柔軟なスケジュール調整や見やすいプレゼンテーションが可能となるオンラインのメリットを最大限に生かせるようなプログラム編成を心がける所存です。ご支援と積極的なご参加をお願い申しあげます。

開催期間は、前回参加者からのご意見をふまえ、3月15日(火)から18日(金)の平日4日間といたしました。初日15日には関係者による授賞式と受賞講演をリーガロイヤルホテル京都からZoomによりライブ配信します。祝賀会をかねた懇親会は誠に残念ながら今回も実施を見送ります。

一般講演は、前回同様オンデマンド配信で大会期間中いつでも視聴できるようにします。配信資料には音声による解説をつけていただき、最初に概要を紹介した後に本題に入る形式を定めて、より多くの発表に接することができるように配慮したいと考えています。質疑応答は3月16日から18日にZoomのブレイクアウトルーム機能を使って設定するセッションで、発表者と直接のやりとりができるようにします。また今回は期間を通じてオンライン上に「バーチャル休憩室」を設けます。質疑応答セッションでの議論のつづきやさまざまな情報交換のためにご利用ください。

大会シンポジウムは、例年のように20件程度を3月16日から18日にリアルタイムのZoomウェビナー形式で実施します。一般講演質疑応答セッションとの重なりを避けるためスケジュールを工夫します。お昼には最近の研究トピックや新しい実験手法・技術に焦点をあてたスポンサードセミナー(旧ランチョンセミナー)を企画します。

大会2日目には恒例となっているジュニア農芸化学会も開催します。前回はオンラインの利便性のせいでしょう、全国から69校、84演題の発表がありました。今回も研究発表は一般講演と同じオンデマンド配信としますが、質疑応答に関しては「時間が短かった」というご意見をいただいたのをふまえ、もう少し余裕を持って交流・情報交換できる場をオンライン上に設定する予定です。優秀な発表に対する表彰も行いますので多数の参加をお待ちしています。

機器・試薬・書籍等の展示会は、実物を見ながらの対面で実施してこそ情報収集の場としての意義が高まり、オンラインではなかなか効果が上がりません。今回はより臨場感を高めるためのソフトを導入するなどして、オンラインの不利を克服するべく工夫します。参加企業の皆様には、奮ってご活用下さいますようお願いいたします。

大会にあわせて開催していた農芸化学「化学と生物」シンポジウム農芸化学Frontiersシンポジウムは時期をずらし、より参加しやすい状況や効果的な実施方法を検討しながら別に実施するよう企画を進めています。その他、大会に多くの人が集まるのを機会に開催していた種々イベントも、オンラインで実施するにあたっては会期中に実施した方がよいのか、あるいは時期をずらしたほうがよいのか引き続き検討中です。今後更新される情報にご注意いただければ幸いです。

2022年度大会も制限下での開催になりますが、皆様にとって今できる限り有意義な情報発信と相互交流の場となるよう最善を尽くします。開催時には感染症が適切にコントロールできるようになっており、これなら対面でできたね、とおっしゃっていただくことになるかもしれません。その際は実行委員会としては恐縮するほかありません。しかしそのような状況になること自体はたいへん望ましく、ほんとうにそうなればよいと願う次第です。何卒ご寛容にご容赦いただければ幸いです。

多数の研究者、学生の方々のご参加をお待ちしています。
また展示会や広告掲載、スポンサードセミナーなどに対するご支援、ご協力も何卒よろしくお願い申しあげます。