【2022/12/10(土)開催】第145回サイエンスカフェ in 東京
概要
日時 | 2022年12月10日(土)14:00~16:00 |
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場所 | 東京大学農学部フードサイエンス棟 中島ホール |
テーマ | 植物のコミュニケーションの不思議と無農薬栽培への応用! |
講師 | 有村 源一郎(東京理科大学先進工学部生命システム工学科・教授) 講師の先生の講演(約45分)終了後、参加者からの質問を受け付け、質疑応答を行います。 |
挨拶 | 西山 真氏(東京大学農学生命科学研究科附属アグテック、日本学術会議農芸化学分科会委員) |
コーディネーター | 岡田 憲典(東京大学大学院農学生命科学研究科・准教授) |
主催 | 日本農芸化学会 |
共催 | 日本学術会議農芸化学分科会 |
内容 | 動けない植物は、化学物質を介して昆虫などの他の生物とコミュニケーションを織りなすことで、自身の生存や繁殖を達成します。例えば、花から放出される匂いは花粉を運ぶ蝶などを惹きつけ、害虫に食べられた葉から放出される匂いは害虫の天敵を呼びよせることができます。一方で、害虫に食べられた植物は、害虫が分泌する化学成分を認識することで防御能力を高めることができます。今回は、これらの植物のコミュニケーションの不思議を深掘りすると共に、これらの生態系現象を農業における害虫対策に活用するための新技術について紹介します。また、昆虫が香りに誘引される様子を実際に体験することができる簡単な実験も企画しています。 |
参加費 | 500円 |
定員 | 30名 |
参加申込 | 下記連絡担当者へメールあるいは下記参加申し込みフォームよりお申し込みください。 参加申込フォームの締め切りは2022年12月7日(水)までとなります。 |
問合せ先・連絡担当者 | 岡田 憲典(東京大学大学院農学生命科学研究科・准教授) Tel:03-5841-3070 E-mail:kokada●g.ecc.u-tokyo.ac.jp(●を@に置き換えてください) |
ポスター
会場風景
報告
会の冒頭、西山教授による学術会議と「農芸化学」の学問分野や歴史のご紹介に続き、有村教授による、動けない植物が化学物質を介して昆虫などの他の生物とコミュニケーションを織りなすことで、自身の生存や繁殖を達成していることについて、スライドやムービーを用いてわかりやすくご説明頂いた。話題の中では、実際に害虫に食べられた葉から放出される匂いが害虫の天敵を呼びよせることを研究データを基にご紹介頂いた。また、植物同士の香りによるコミュニケーションの例として、小松菜の栽培時に、傍らにミントを混植することで、小松菜への昆虫食害を防ぐことができることなど、特許申請済の新しい農業技術への可能性についても紹介いただいた。途中、休憩も兼ねて、会場外のフロアにて、ハダニの天敵であるチリカブリダ二が、ダイズの食害の香りに誘引される様子を実際に体験する実験を行って、参加者からは顕微鏡ではじめて見るダニの姿や歩行する姿に驚きの声が上がった。東京では久しぶりの対面開催で、参加者が少なかったように思うが、高校生を含む少人数での深いコミュニケーションができた。イベントの最後には、農業における新しい技術に関する問題や可能性などについて多くの質問があり、講演内容に対する参加者の興味と理解が伺える良い集会となった。
参加者:9名