【2021/12/18(土)開催】第137回サイエンスカフェ in 東京
概要
日時 | 2021年12月18日(土)11:00〜12:00 |
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場所 | オンライン開催(zoom使用) |
テーマ | お米で糖尿病予防!? |
講師 | 熊谷 日登美 氏(日本大学生物資源科学部生命化学科 教授・日本学術会議農芸化学分科会 委員長) |
コーディネーター | 若林 素子 氏(日本大学生物資源科学部 教授) |
主催 | 日本農芸化学会 |
共催 | 日本学術会議農芸化学分科会 |
内容 | お米はデンプンが主成分ですので、食べると血糖値が上昇します。けれども、お米の中に含まれるアルブミンという水溶性のタンパク質は、血糖値の上昇を抑える働きを持っています。そして、蕎麦や小麦アルブミンとも異なり、ダブルの効果で、デンプンだけでなく、グルコースを摂取した場合にも、血糖値の上昇を抑制します。さらに、この米アルブミンは、幅広いpHで高い泡立ち性や乳化性を示し、また、熱耐性にも優れています。このような食品の加工時に有用な特性を持ち、かつ、糖尿病の予防効果を持つユニークな機能性タンパク質を見つけた経緯から、その機能の詳細、作用メカニズムなどについて、ご紹介します。 |
参加費 | 無料 |
定員 | 50名程度 |
参加申込 | E-mail または参加申し込みフォームからお申し込みください。 参加申し込みフォームはこちら ※ポスター掲載のQRコード(Googleフォーム)からもアクセス可能です。 |
問合せ先 | 若林 素子 氏(日本大学生物資源科学部 教授) Tel:0466-84-3405 |
ポスター
会場風景
Zoomクイズの様子
報告
「農芸化学」の学問分野や歴史のご紹介,デンプンや糖質,タンパク質などの構造やそれらの生体内での消化吸収のしくみについての説明に続き,食物摂取と血糖値の上昇やその制御について,さらには小麦アルブミンによる血糖制御と講師の研究により明らかになった米アルブミンによる血糖制御のしくみの違いを,スライドを用いて丁寧にご説明いただいた。要所要所でzoomのクイズを交えることで,参加者の方々に要点を理解いただける工夫が見受けられた。講演後の質疑応答では,通常の米飯の摂食で血糖値抑制効果のある米アルブミンが摂取できるのか,玄米や米粉ではどうか,など,講演の内容が理解されたうえでの多くの質問があり,参加者の理解が質問への回答によりさらに深まったものと思われた。オンラインセミナー後にGoogle Formによるアンケート調査を行ったが,そちらでも,非常にわかりやすかった,最新の情報が得られた,勉強になったなどの意見が寄せられた。
従来の形式とは異なるオンライン開催であり,参加者募集の難しさや当日は参加者の反応をみながらの対応ができないなどの問題点もあるが,オンライン会議のシステムを活用すると,チャット機能を用いた質問が随時受けられること,また,オンタイムでクイズを行ったりアンケート調査ができることなど,オンラインならではのメリットも大いにあると感じた。
参加者:33名