第20回 農芸化学会 サイエンスカフェ
概要
日時 | 2009年8月30日(日)13:00~16:00 |
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場所 | 株式会社ジョーキュウ(福岡市中央区大名1丁目12-15) |
テーマ | 食品と健康、そのサイエンス |
講師 | 九州大学大学院農学研究院 准教授 立花宏文氏 九州大学大学院農学研究院 准教授 佐藤匡央氏 九州大学大学院農学研究院 准教授 松井利郎氏 |
コーディネーター | 九州大学大学院農学研究院 教授 山田耕路氏 |
共催 | 財団法人農芸化学研究奨励会、日本学術会議農芸化学分科会 |
内容 | 3名の講師によるミニ講演の後、「食品と健康、そのサイエンス」をテーマに講演者と参加者との対談を行う。 緑茶カテキンのはたらきとそのしくみ 立花宏文 茶は日本人が長年慣れ親しんできた嗜好飲料ですが、最近ではその生体調節機能が注目されています。また、茶の機能性を担う成分とそのしくみに関する基礎的な研究が展開されるとともに、研究成果に基づいた様々な食品(機能性食品)が提供されています。機能性食品が注目されるのは、高齢化が進展し生活習慣病が増加しつつある現代において、食品の持つ生体調節機能を活用して生活の質向上や健康寿命が延伸できるのではないかという消費者の期待によるものと思います。一方、こうした健康志向の高まりから、これまでに食経験のない食材を利用した健康食品や特定の成分を濃縮したサプリメントも流通していますが、機能性の科学的根拠や潜在的リスクに関する情報の乏しい食品も存在します。今回のサイエンスカフェでは、機能性食品成分として認知度の高い緑茶カテキンのはたらきとそのしくみについて、リスク面からの視点も交えて紹介したいと思います。 「あぶら」との美味しい関係 佐藤匡央 「あぶら」を食べることは、肥満、最近ではメタボリックシンドロームとの関係からよくないイメージがつきまとう。これは、おもにタンパク質や炭水化物よりも高いカロリーのせいであろうと考えられる。しかし、食品のおいしさを演出する。そのため、取りすぎが問題となるのが近年の現状である。そして、極端にその摂取を避ける様になる。世に言う「あぶら」は様々でいくつもの種類が存在する。原料、加工行程などでいくつにも分かれている。今回は、「あぶら」を食べるということについて参加者の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。 醤油と健康 松井利郎 健康で健やかな生活を達成することを目的として、厚生労働省では2000年より「健康日本21」運動を展開している。その一方で、近年、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が糖尿病、高血圧症、高脂血症などの生活習慣病とリンクした疾患との認識が高まり、いかに動脈硬化や心・脳疾患リスクを低減するかが重要な課題となりつつある。食生活の改善はその解決策のひとつであり、その改善をサポートする保健機能食品(特定保健用食品)の効率的な利用もその一助となる。しかしながら、これら疾病を予防する最適な方法はやはり食生活の改善にかかっているといえる。そこで、日本人の食生活に欠かせない醤油、さらには機能性食品について総論を述べたい。 |
参加費 | 無料 |
申込先 | 農芸化学会西日本支部庶務 田代康介(九州大学大学院農学研究院准教授) TEL:092-642-3042 E-mail:jsba-w@agr.kyushu-u.ac.jp |