【2017/12/13(水)開催】第29回さんわかセミナー「AI(人工知能)でどう変わる?バイオテクノロジーの未来」
報告
2017年12月13日、東京大学 理学部 小柴ホールにて、「AI(人工知能)でどう変わる?バイオテクノロジーの未来」と題し、AIとバイオテクノロジーの融合をテーマに第29回さんわかセミナーを開催いたしました。AIおよびバイオデータ解析における第一人者の方々をお招きし、AIを活用したバイオテクノロジー/ライフサイエンス研究の現状の紹介と将来の展望についてご講演いただきました。当日は、大学・企業・公的研究機関から約80名の方にご参加いただき、本テーマに対する関心の高さが伺われました。以下、各講演について簡単にご報告いたします。
- 奥野氏からは、創薬・医療分野でのAI利活用の具体的な研究事例や AI技術開発の加速と各業界の連携促進を目的として発足したコンソーシアム(LINC)についてご紹介いただきました。具体的な研究事例としては、画像診断におけるAIの有効性について、画像認識能力において既に人間を超えている実例を交えてご紹介いただきました。また、今後 AI技術開発が進む中で、人間にしかできない実験がますます重要になっていくことや、データ利活用に向けた実験ノートデジタル化の重要性などについても語られました。
- 巣籠氏からは、AIについての概論および最新の研究事情についてご紹介していただきました。深層学習の応用として一般的によく知られる「画像認識」についての研究だけでなく、「時系列データ処理」や「自然言語処理」についての理論や取り組みについても説明していただき、こうした技術が医療診断・バイオデータ解析を含む様々な分野への応用に期待されていることを、実例を交えてご講演いただきました。
- 松田氏からは、大規模バイオデータの解読を効率的に進めるための、データ処理・可視化・解釈におけるAI活用事例をわかりやすくご紹介いただきました(例:クロマトグラムの効率的なピークピッキング作業、トランスオミクスデータのパスウェイマップ上への投影 など)。また、取得したデータからアイデアを創出するには、エキスパートシステムの開発が必要となってくると語られました。
- 桜田氏からは、AIの登場とともに生命医科学分野に今後起こると考えられるパラダイムシフトについてご説明いただきました。これまでの生命科学では、非線形の生命現象を線形近似によって表現し理解してきましたが、AIをパートナーとすることで生命の理解をさらに深めていくことができると語られました。
以上、実学として発展した農芸化学研究が、AI技術を活用したデータ解析やシミュレーションと融合することで、さらに一層の展開を図ることを期待させるご講演内容でした。各講演後の質疑応答、および休憩中にも活発な議論が交わされ、ご参加頂いた方々が大変刺激を受けていたご様子で、極めて好評であったと認識しております。この場をお借りしまして、本講演のアンケートにご協力いただいた皆様に、改めて御礼申し上げます。本セミナーが皆様の今後の研究活動・業務において一助となれば幸いに存じます。ご多忙中にも関わらずご講演を快くご承諾いただきました行使の先生方、ならびにご参加いただきました多くの皆様に改めて御礼申し上げます。今後とも、さんわか活動にご協力・ご参加いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
会場風景
概要
タイトル | 「AI(人工知能)でどう変わる?バイオテクノロジーの未来」 |
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主催 | 日本農芸化学会 産学官若手交流会(さんわか) |
開催趣旨 | 今回のさんわかセミナーは「バイオ×AI」がテーマです。 ハイスループット技術やオミックス解析技術の発展に伴い、バイオ分野での研究で取得されるデータ量は爆発的に増大し続けており、こうした大量のデータから新たな知見やアイデアを創出するための活用技術としてAIが期待されています。 本セミナーでは、産学両分野から第一人者の方々をお招きし、AIを活用したバイオテクノロジー/ライフサイエンス研究の現状の紹介と将来の展望についてご講演頂きます。 日本農芸化学会会員・非会員に関わらず、参加頂けますので、奮ってお申し込みください。 |
日時 | 2017年12月13日(水) 受付13:00~、講演開始13:30~、技術交流会17:10~ |
会場 | 東京大学理学部 小柴ホール(理学部1号館中央棟) |
アクセス | 地下鉄 本郷三丁目駅(丸ノ内線・大江戸線)徒歩10分 湯島または根津駅(千代田線)徒歩10分 東大前駅(南北線)徒歩6分 |
プログラム | 13:00 – 受付開始 13:30 – 開会 13:40 – 「ライフサイエンスにおけるAIの現状と展望」 奥野恭史 (京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻 教授) 14:20 – 「深層学習を活用した医療データ分析」 巣籠悠輔 (株式会社情報医療 MICIN,Inc / 東京大学大学院工学系研究科 招聘講師) 15:00 – 休憩 15:20 – 「AIはバイオデータ解読の駆け込み寺となるか?」 松田史生 (大阪大学大学院情報科学研究科 バイオ情報工学専攻 教授) 16:00 – 「AI時代の新たな生命医科学」 桜田一洋 (ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー / 理化学研究所 医科学イノベーションハブ推進プログラム 副プログラムディレクター兼務) 16:40 – 閉会 17:10 – 技術交流会 |
参加費 | セミナー参加費:無料(当日受付可) 技術交流会参加費:4,000円(事前申込制) |
定員 | 150名 (先着順・満席となり次第締め切りとなります。当日残席がある場合のみ入場できます。) |
参加申込 | お申込は下記のリンクからお願いいたします。技術交流会の参加も事前申込が必要です。 https://goo.gl/forms/FzRUBWIOEvvstWNG3 申込締切:2017年12月8日(金) ※先着順で定員に達し次第、申込受付を締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。 ※お申込いただいた個人情報は、参加確認および今後のさんわかセミナーご案内以外の目的には使用いたしません。 |
問い合わせ先 | 日本農芸化学会 産学官若手交流会(さんわか) |