概要

タイトル 「産学官でつなぐ糖鎖工学の現状」
主催 日本農芸化学会 産学官若手交流会(さんわか)
ポスター

さんわか
さんわか第25回セミナー ポスター(PDF)

開催趣旨 DNA、タンパク質に続く第3の生命鎖と知られる糖鎖は、多種多様な形で自然界に存在しており、生体内においても様々な生理活性を持つことが知られています。しかし、糖鎖はその多様性から未だ不明な部分が多く存在し、様々な基礎的研究が行われています。その一方で、基礎研究から得られた知見を応用した、機能性糖質や糖タンパク質医薬品が既に市場に広まってきています。このように糖鎖工学は基礎から応用まで活発に研究開発されおり、産学官での連携の強い分野の1つとなっています。
そこで、第25回さんわかセミナーでは「産学官でつなぐ糖鎖工学の現状」と題しまして、産学官それぞれから第一線でご活躍されている先生方をお招きして、お話を伺う機会を企画いたしました。また、講演終了後には、先生方を囲んで技術交流会も開催します。参加費は無料(技術交流会は有料)。また日本農芸化学会会員でない方の参加も大歓迎ですので皆様ふるってご参加ください。なお、技術交流会からの参加も受付けております。ぜひこのセミナーを機会に研究の幅、交流の輪を広げましょう。
日時 2015年12月3日(木)受付13:00~、セミナー13:30~、技術交流会17:30~
会場 京都大学 北部キャンパス 理学部セミナーハウス 大セミナー室(京都市左京区北白川追分町)
アクセス JR京都駅から
市バス 京都駅前 206系統「東山通 北大路バスターミナル」行(約35分)→百万遍(→今出川通を東に徒歩10分)
市バス 京都駅前 17系統  「河原町通 錦林車庫」行(約35分)→京大農学部前
http://www.sci.kyoto-u.ac.jp/modules/tinycontent9/
講演者 株式会社糖鎖工学研究所:朝井洋明 氏
地方独立行政法人大阪市工業技術研究所:村上洋 氏
京都大学大学院 生命科学研究科:片山高嶺 氏
株式会社林原:福田恵温 氏
プログラム 13:00-受付開始
13:30-開会
13:40-
 『化学的アプローチによる構造均一な糖タンパク合成への挑戦』
株式会社糖鎖工学研究所:朝井洋明
14:20-
『酸性オリゴ糖ラクトビオン酸の機能性と生体触媒を用いた生産』
地方独立行政法人大阪市工業技術研究所:村上洋
15:00-
休憩
    
15:30-
『ビフィズス菌と母乳オリゴ糖 ~ビフィズスフローラ形成の分子機序解明を目指して~』
京都大学大学院 生命科学研究科:片山高嶺
16:10-
『ナンバーワンよりも「オンリーワン」を! ‐林原の糖質開発‐ 』
株式会社林原:福田恵温
16:50-閉会
17:15-技術交流会
参加費 セミナー参加費:無料
技術交流会参加費:3,000円、学生1,000円
参加申込 件名を「さんわかセミナー参加申し込み」とし、
・氏名
 (学生の場合はその旨を明記して下さい)
・所属
・連絡先メールアドレス
・交流会参加の有無
をE-mailにて、下記のアドレスへご連絡ください。

※申し込み先着順で定員に達し次第、締め切りとさせていただきます。
※お申込みいただいた個人情報は、参加確認および今後のさんわかセミナーのご案内以外の目的には使用いたしません。
問い合わせ先 京都大学大学院 農学研究科 岸野 重信(さんわか幹事)
kishino@kais.kyoto-u.ac.jp
(@を半角の@に置き換えてください)

報告

2015年12月3日、京都大学北部キャンパスにて、第25回さんわかセミナーを開催いたしました。今回のセミナーでは「産学官でつなぐ糖鎖工学の現状」と題しまして、産学官それぞれから、糖鎖・糖質の分野において第一線でご活躍されている先生方をお招きし、ご講演いただきました。

朝井先生からは(株)糖鎖工学研究所(GlyTech, Inc.)が誇る高質な糖タンパク質合成技術や、中分子薬として需要が高いペプチド医薬品への適用等、優れた基盤技術とその可能性についてご説明していただきました。

村上先生は産官の共同研究を通じ、ラクトビオン酸を高収率で生産させ、かつ食品素材として活用可能な菌株の探索についてご発表いただきました。またラクトビオン酸の機能性と食品への応用についてもご解説いただきました。

片山先生は乳児期のビフィズスフローラ形成における母乳オリゴ糖の作用について注目しており、母乳オリゴ糖の分解酵素の解析を通じ、腸管内ビフィズス因子として母乳オリゴ糖が機能していることを示唆する研究成果をご発表いただきました。

福田先生からは株式会社林原における糖質開発とその歴史についてご紹介いただきました。特にトレハロースや新・古糊の開発秘話において、研究に対する熱意、次々とアイデアが生まれる林原の独特の社風を感じることができました。

以上、本セミナーでは4名の講師の方にご講演いただきました。当日は約50名の方にご参加いただき、質疑応答および技術交流会にて活発な意見交換が行われました。糖鎖・糖質は基礎から応用まで活発に研究開発されており、現在では産学官連携の強い分野の1つとなっております。本セミナーが皆様の今後の研究の一助となり、また新たな連携のきっかけとなれば幸いに存じます。ご多用の中、ご講演を快諾していただいた講師の先生方、ならびにご参加いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。今後もさんわか活動にご協力・ご参加いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

エーザイ(株) 大久保 真哉

講演風景

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