第22回ワークショップ「新しい局面を迎える機能性食品」
報告
2014年9月30日(火)、東京大学 中島董一郎ホールにて、さんわか第22回ワークショップ「新しい局面を迎える機能性食品」を開催いたしました。
東京大学大学院 農学生命科学研究科の佐藤隆一郎先生、東京農業大学 応用生物科学科の上原万里子先生、独)農研機構 食品総合研究所の山本万里先生、独)国立健康・栄養研究所の梅垣敬三先生、以上4名の第一線でご活躍されている先生方をお迎えし、ご講演いただきました。
佐藤先生からは、抗メタボリックシンドローム研究としてインスリン感受性上昇因子の探索系構築と活性成分の生理活性について、さらに、運動を模倣する機能を有する成分についてもご説明いただきました。
上原先生からは、骨・脂質・糖質代謝の相互関連性を踏まえた上で、さまざまな作用機構の機能性食品因子とそれらの機能について説明いただきました。
山本先生からは、機能性農産物の有効性研究やその供給、生鮮食品における機能性表示の考え方について、具体例を多く挙げながら分かりやすく解説いただきました。
梅垣先生からは、機能性表示食品が新たに認められることになったことを受け、その開発と利用法における留意点を紹介いただきました。機能性が表示された食品を使う側の人に、内容が正しく理解され生活習慣の改善につなげられるためには、あるべき制度や注意点はどのようなものか、詳しく解説いただきました。
以上4題のご講演から、機能性食品について最新の機能性研究の知見から、それらの開発、供給と効果的な利用法のあり方まで、幅広い観点で勉強することができました。また、当日は約50名の方にご参加いただき、講演後の質疑応答および技術交流会にて参加者と講師の方々との活発な意見交換が行われました。
今回の勉強会が、食品機能性研究が今後どのように展開し、人々の健康に貢献していけるのかについて皆さまが考察を深める一助になり、今後の研究に役立つことができれば幸いに存じます。
今回ご多用の中ご講演を引き受けてくださいました講師の先生方、ならびに本ワークショップにご参加いただいた皆様には改めて御礼申し上げます。
農芸化学分野の研究が今後もますます進展して行くことを祈念しております。今後ともさんわかの活動にご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
講演風景
概要
タイトル | 「新しい局面を迎える機能性食品」 |
---|---|
主催 | 日本農芸化学会 産学官若手交流会(さんわか) |
開催趣旨 | 鈴木梅太郎博士によるビタミンB1の発見から100余年、農芸化学分野では実に多彩な食品研究が展開されて来ました。その中でも、近年の食品機能性に関する研究の発展は目覚ましく、アカデミア、産業界はもちろん、一般国民に至るまで幅広い関心を惹きつけております。高齢社会到来に伴う加齢性疾患の増加や生活習慣病の蔓延を背景に、機能性食品による疾病予防や健康維持への期待は高く、トクホ以外のヘルスクレーム制度を導入しようとする動きも現れています。実際に、国の成長戦略の一環として、健康食品への機能性表示の改革が指示され、消費者庁において「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」が進行しています。そんな今、食品機能性研究はどこまで進み、今後どのように展開していくべきなのかを学ぶため、第一線でご活躍されている先生方をお招きして、お話を伺う機会を企画いたしました。今後の食品機能性研究に、産・学・官がどのように取り組むべきなのかを考える一助になれたらと考えております。 |
日時 | 2014年9月30日(火)13:00~17:30 (17:45~ 技術交流会) |
会場 | 東京大学農学部(弥生キャンパス) フードサイエンス棟2階 中島董一郎記念ホール 最寄駅からのアクセス:東大前駅(地下鉄南北線)より徒歩3分 根津駅(地下鉄千代田線)より徒歩10分 本郷三丁目駅(地下鉄大江戸線、地下鉄丸ノ内線)より徒歩15分 |
プログラム | 「食品機能による生活習慣病予防の可能性」 東京大学大学院 農学生命科学研究科 佐藤 隆一郎 「ロコモとメタボを同時に改善する機能性食品因子」 東京農業大学 応用生物科学部 上原 万里子 「機能性農産物の開発と個人に合わせた供給システムの構築について」 独)農研機構 食品総合研究所 山本 万里 「機能性食品の開発と効果的な利用法」 独)国立健康・栄養研究所 梅垣 敬三 |
参加費 | ワークショップ参加費:無料 技術交流会参加費:4,000円 |
参加申込 | 件名を「ワークショップ参加申し込み」とし、 ・氏名 ・所属 ・連絡先メールアドレス ・交流会参加の有無 をE-mailにて、下記のアドレスへご連絡ください。 ※申し込み先着順で定員に達し次第、締め切りとさせていただきます。 ※お申込みいただいた個人情報は、参加確認および今後のさんわかワークショップご案内以外の目的には使用いたしません。 |
問い合わせ先 | 東京大学大学院 農学生命科学研究科 石丸 喜朗 (さんわか幹事) Tel: 03-5841-1878 E-mail: ayishi[at]mail.ecc.u-tokyo.ac.jp |