概要

施設名 (北海道)旭川北高等学校
日時 2016年2月25日(木)15:25~16:15 
場所 旭川北高等学校(北海道旭川市花咲町3丁目)
授業の名称 「生きるとは、学ぶとは -生命・食・環境を学ぶ農芸化学の視点から-」
講師 松井 博和 氏(北海道大学名誉教授、科学コミュニケーター、農芸化学フェロー)
担当教員 校長 中田伸次(清水公久教頭、森 雅義)
聴講者 高校2年生240名
内容 「生きるとは、学ぶとは」という大きなテーマに沿って、地球の歴史カレンダー(生命の歴史と人類の誕生)・食料の確保と生物の多様性・21世紀の課題としての食料・水・環境・エネルギー問題、バイオの研究の意義などについて農芸化学という視点から解説した。さらにその中で、社会が若者に期待していること、コミュニケーションの大切さ、異質なものを受け入れる柔軟性など、人として生きていく上で大切にすべきことについても話した。
報告 50分という短い時間でしたが、ほとんどが大学進学を目指している生徒に対して、生命の尊さ、生きることの意味、学ぶことの意義、高校までの勉強と大学での学問の違い、農芸化学の人類に対する貢献、働くことの意味、最後に若者に対する未来への期待などについて、具体的でわかりやすい事例を示しながら熱心に講義していただきました。生徒たちは、日頃、目の前の勉強や受験の話を聞く機会は多いのですが、それよりもはるかに大きな視点からの松井先生のお話に驚きつつも興味深く聞いていました。大変貴重な体験をさせていただいたと思います。

授業風景

写真

生徒さんの感想

  • 「農芸化学」という言葉を見たときに、農業やそれに関する技術の開発を行っているのかなと思っていましたが、今日の講演を聴いて、生命・環境・食の3つの部門で、さらにその中でも様々な分野に分かれて、実に幅広く研究が行われていることを知ってとても驚きました。また、研究内容も私たちの生活に欠かすことのできないものやとても身近なものを研究していて、農芸化学に対する関心が深くなりました。自分の目指しているところは医学なのですが、医薬の研究もしているということなので、もっと農芸化学について知りたいなと思いました。
  • 私たち人間が気付いていないだけで、地球上にはたくさんの生物がいて、つながっていることがわかった。
  • 私は農芸化学という言葉を初めて聞きました。動物や植物などの生命現象から食品や健康などまで、とても幅広く研究していると知って驚きました。難しそうな内容だなと思いましたが、私はすごく興味がわきました。さらに、国際的に多くの企業で活躍している方々もいるということも聞き、農芸化学という分野について、もっと細かく、深く調べたくなりました。約1時間の講演、ありがとうございました。
  • 今日の講演で、地球が誕生してから現在までを1年としてみると、私たち人間の一生はたった0.6秒しかないと知って驚きました。人間が続けてきた命のリレーが地球規模で見るとちっぽけなものに思えてきたけれど、それでも私たちの祖先が自分たちにまでつないでくれた命なので大切にするべきだと思いました。なので、自殺など言語道断だと思いました。あと、どのようなものが地球で生き残るかという話のとき、自分は知識・知恵のあるものが生き残ると思っていましたが、答えが変化できるもの、環境に適応できるものと聞いて、なるほどと思うと同時に、人間は生き残ることができるのだろうか疑問に思いました。人間には知識・知恵はあるけれど、やはり人間の作りうるものでは地球規模の変化には対応しきれないのかなと思いました。
  • 今日の講演を聴くにあたって、自分の志望先と少々違っていたこともあり、最初はあまり興味を引くものではありませんでした。しかし、実際に講演を聴いたところ、事前に想像していたような農芸化学に関する難しい内容だけではなく、生命についてや勉強についてなどの今までに高校生が一度は疑問を抱いたことのある内容を中心に講演していただき、最初から最後まで関心のあるものばかりでしたし、それらの内容についての自分の考えを再度見つめ直すことにもゆながりました。