第26回 出前授業 実施報告
概要
施設名 | (大分県)大分県立大分豊府高等学校 |
---|---|
日時 | 2016年1月26日、27日(火、水) |
場所 | 大分県立大分豊府高等学校(大分市大字羽屋600番地1) |
授業の名称 | 「オワンクラゲの遺伝子を導入して光る微生物を作ろう!~DNA抽出と遺伝子組換え実験~」 |
講師 | 林 毅 氏(別府大学准教授) |
担当教員 | 吉田 朋子 |
聴講者 | 高校2年生120名 |
内容 | 1時限目:アルカリSDS法を用いて、菌中から pGLO(GFP(緑色蛍光タンパク質)遺伝子を含むプラスミドDNA)を抽出する。 2時限目:1時限目で抽出したpGLOを用いて大腸菌を遺伝子組換えし、 光る大腸菌を作製する。その際に非組換え菌と3種類のシャーレ用いて4種類の実験を行い、どのシャーレから菌が出現するか、どのシャーレの菌が光るかなどを考察。 |
報告 | 新学習指導要領になり、文系生徒の学習する生物基礎の内容は従来よりも大幅に削減されたにもかかわらず、遺伝子分野については内容が刷新され新たに追加されている。 遺伝子組換えに関する知識は今後の社会生活において常識となる分野であり、理系分野の学習時間が限られている文系生徒こそ優先して学ぶべき内容であると考え、今回の出前授業を申請しました。 当日は生徒も興味津々であり、ミクロの世界をイメージしながら実験することは難しかったようですが、彼らなりの学ぶ姿勢で意欲的に活動していたと思います。事後、追指導を行いましたが、実験結果がどのようになっているか待ち遠しかったようです。一般に聞く抗生物質とは何なのか?、遺伝子組換えは特別な研究者の中での話だ、と思いがちな文系生徒にとってより身近に捉えることができたことが 感想の中からもうかがえます。また、将来初等教育に携わる可能性の高い生徒も多く混在するので、そういった生徒の自然科学や科学技術に対する意識の変化はきっと役に立つはずです。 中には遺伝子組換え食品に対する見方が変化した生徒もいます。知らないことがあり、その状態で物事を判断するのは危険であり、きちんとした科学的知識の必要性を感じ取れた生徒もいます。 今回の授業では学生がアシスタントをして下さったので、安全できめ細やかな指導ができたと思います。 大変意義のある講座で、申請を許可してくださりありがたく思います。 以上、末筆ではありますが、授業に関するコメントとさせていただきます。 |
授業風景
生徒さんの感想
- 遺伝子組換えは研究者の人しかできないものだと思っていたので、こうやって自分の手で出来たことに驚きました。
- この実験で発光する大腸菌をつくったが、他のことで応用できるのではないかと感じた。
- 普段の生物の授業ではできない実験ができた。抗生物質や遺伝子を組換えることで様々なおもしろい結果がでた。DNAのことについて興味を持ついい経験にだった。
- 知らないことがいっぱいあるなと思い知らされました。遺伝子は万能であるとわかったので、これからいい方に進めばいいと思いました。
- 普段は絶対にできないようなことができて楽しかったし、ためになった。菌を扱ったりすることはこれからないと思うので、いい経験になった。
- 何かを測りとるときの単位が小さくて難しく、神経を使う作業だなと思った。
- いろんな実験の道具が使えて、1つ1つの作業をするごとに何か変化があったのでそれを確認しながらできたのがよかったです。