団体名 (東京都)トキワ松学園中学校高等学校 
開催日 2019年2月26日(火)
場所 トキワ松学園中学高校(東京都目黒区碑文谷)
授業の名称 「人の命を救うバクテリア放線菌」
講師 上田 賢志(日本大学 生物資源科学部 応用生物科学科)
聴講者 トキワ松学園中学高校中学1年~高校2年 15名
報告 上田先生は、放線菌が生産する化合物が、抗生物質として病気の治療に利用されていることをその開発の歴史的背景から講義された。

かつて死の病として恐れられた結核は、R.コッホによる原因菌特定の後も長い間治療の手段がなく、多くの芸術家や文筆家を含む人々の命を奪っていた。そこに、放線菌Streptomyces griseusが生産する化合物であるストレプトマイシンが顕著な治療効果を発揮することが見いだされ、結核は治癒する病気となったことが説明された。

上田先生には講義の1ヶ月前にも来校していただき、腐植酸を添加した寒天培地を使った放線菌の分離実験を生徒達に指導してくださった。数日後には、生徒達がそれぞれ持参した土壌を塗った培地から放線菌の白いコロニーが出現する様子が確認された。

戦後の日本において放線菌が生産する様々な化合物を収集して特定する努力が進められ、そこから画期的な医薬の数々が生まれたことも紹介された。生命現象を化学で捉える農芸化学の研究理念とその魅力についても説明された。

授業風景

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生徒さんの感想

  • 結核をはじめ、様々な病気の治療薬には微生物が関わっていることを知り、バクテリアのすごさを感じることができました。これから先も難病の薬が開発されることが期待できると思った。生物の授業で学習した用語なども出てきてて、より理解を深めることができて良かった。
  • 私菌といえばよくないイメージがつきまとうが、病気を治すために役立つ菌もあるのだと新しく知ることができた。多くの研究者達の地道な研究の積み重ねにより抗生物質や薬が開発され、昔は治すことが困難だった病気も治るようになってきたことは、すごいことだと思った。