学校名 (東京都)目黒区立目黒中央中学校
開催日 2018年3月9日(金)
場所 目黒区立目黒中央中学校(東京都目黒区中町2-37-38)
授業の名称 「おいしさの科学」
講師 朝倉 富子 氏(東京大学大学院農学生命科学研究科 日清食品寄付講座特任教授)
聴講者 中学3年生生徒158名
報告 科学が実生活でどのように役に立っているのか、実例を紹介してもらうことで義務教育卒業後も科学への興味を継続させることができると考え、依頼しました。

講義内容は、(1)味が伝わる要因について、(2)味の相乗効果についての2点でした。

(1)味を感じるのは味覚だけではありません。その一言に生徒が驚いている様子でした。味覚以外に五感全てで味を判断します。風邪にかかり、鼻が詰まったとき、味がしないと感じることがある。このような実例を交えていただき、難しい内容も生徒が関心を示していました。

(2)生徒一人一人が体験できる実験を用意していただきました。昆布だしの成分である、イノシン酸ナトリウムとカツオ節の成分であるグルタミン酸ナトリウムを飲み比べる実験でした。双方のグループで飲む順番を変えて、味が強く感じる方に挙手をしてもらうと、はっきり二つに分かれました。同じものを試飲しているのに後に飲んだほうが味が強く感じたということでした。その後、仕組みについて、説明していただきました。

理科で学んだことのつながりを多くのことで示していただきました。生徒は中学校で習ったことの必要性を改めて感じることができたと思います。

授業風景

写真

生徒さんの感想

  • 食事について、普段知ることのできないようなことができて良かったです。特に、2つの成分が合わさることでうまみが増すということを、実際に自分の舌で感じ、学ぶことができて貴重な体験をさせていただいたと思うし、とてもおもしろかったです。日常生活で「おいしさ」がどういったところからくるものなのか、考えることはあまりないから、新鮮に感じました。まだ、知らないことは山ほどあるのだなと心から感じたので、どんなことにでも興味をもち、学んでみたいと思います。
  • 今日の講義を受けて私は味、味覚とはとても不思議なものだと思いました。今まで食事をしながら普通に味を感じていたけれど、味を感じるしくみや食べ物の成分のことがわかったので、これからは味覚などを意識して食事をしたいと思いました。また、嗅覚とも深い関係があると知り面白かったです。私も研究などの道に進んだら調べてみたいと思いました。
  • 今回の講義を受けて、味覚や嗅覚について様々なことを知ることができた。特に、昆布だしとかつおぶしのどちらを先に飲むかによって味の強さが変わるということを実際に飲んで試したのは、わかりやすくておもしろかった。高校では、中学よりも発展した理科の授業を受けると思うので、今日の講話で学んだことを忘れずに活かしていきたい。