第38回 出前授業 実施報告
施設名 | (熊本県)熊本県立宇土高等学校 |
---|---|
日時 | 2016年10月14日(金) 14:00~15:30 |
場所 | 熊本県立宇土中学校・高等学校(熊本県宇土市古城町63) |
授業の名称 | 「植物(特に食品中)の色素変化とこれを利用した機能性食品の製造・開発例」 |
講師 | 田丸 靜香 氏(福岡工業大学工学部生命環境科学科准教授) |
担当者 | 後藤 裕市 |
聴講者 | 高校1年生および2年生 生徒25名 |
報告 | 生徒の実生活や学習内容に即した話題を軸に、機能性食品の製造・開発に関する丁寧で解りやすい講義をしていただきました。特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品、一般食品の違いに触れたうえで、人工甘味料カロリー0・糖質0と表記された食品の仕組みや未利用資源を利用したお茶開発について説明がなされました。特に、異種作物混合茶葉製造技術特許への生徒の関心が高く、大学での研究への興味・関心を高める生徒が多く見受けられました。また、酵素的褐変など高校生物で学習する内容を越えた話題も解りやすく説明していただいたことが、生徒の学習意欲の喚起にもつながったように思えます。どの生徒にとっても非常に将来の展望を抱ける有意義な話をしていただきました。ありがとうございました。 |
授業風景
生徒さんの感想
- 今日の田丸先生の講演を聞いて植物の色素の変化や形成を利用して新しい食品を製造できるという事ことを知りとてもびっくりしました。
- 私はこの特別講義を受けて将来私が興味があったことについての講義だったのでとても興味がわきました。
- 食品の色素の変化や、廃棄されるはずだった物質を上手く利用することで新しい食品にする研究の話をおもにしていただき、私も将来の進路を考えるうえでとても参考になりました。
- 色素の生成のしくみは、私たちが普段飲んでいるお茶に利用されているということを知って、驚きました。
- 田丸先生がお話しされていた中で、特に興味深かったものは、未利用資源を使って作られたお茶が、健康にとても良いということです。お茶の葉にツバキの葉とかを混ぜるという発想がすごいなと思いました。
- 保健機能食品を開発するにはたくさんの研究結果をだしたりしなければならないので、開発には何年もかかると聞いてふつうの食品よりも少し高くても仕方がないのだなと思いました。
- 捨てられるようなものから新しい製品を作り出すことは、ハイ変だし、実際、たくさんの実験を通して販売されていて、すごいなと思いました。
- 植物の色素には変化するものと形成されるものがあり、その中でも酵素的褐変という事について詳しく知ることができて、とても勉強になりました。
- 実験にマウスなどがよくつかわれるので、いつも不思議に思っていたけど、今回の授業で理由が分かったので、よかった。
- ウーロン茶が茶色なのは、酵素的褐変が働いているからということは初めて知り、驚きました。
- 大学でその県の物を利用して、1つ1つの物の成分を最大限に発揮できるような開発をなさっていて、その開発は1つのことが物を変えてまた違う効果のあるものを生みだされてすごいなと思ったし、このような開発、研究もしてみたいなと思いました。
- 普段は売れ残ってしまって廃棄される3番茶も、間引きされて捨てられてしまうミカンや、つばきの葉やびわの葉などと一緒に眞z和わせてお茶にすると、普段の緑茶よりも健康にいい緑茶ができたりしていて、とてもおもしろそうだなと思いました。
- なぜ植物の葉や食品をお打ちしたり、加熱したりすると茶色になってしまうのか、お茶の葉を紅茶やウーロン茶にする方法など初めて知りました。
今日の演題にもあった「食品中の色素」というのに興味を持って、この講義を選択したのですが食品以外にも色素や褐変時に働く酵素の働きを応用した、食品製造開発の話は、食品化に至るまでの研究や臨床実験などのデータを見ながら、かなりの労力だと改めて感じました。