東北支部・北海道支部合同支部大会 さんわかシンポジウム
概要
タイトル | 「産学連携ヘススメ!~大学の成果を社会に還元する秘訣とは?」 |
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日時 | 平成22年9月27日(月) |
会場 | 東北大学農学部 |
プログラム | 13:50 – 13:55 はじめに 13:55 – 14:25 「基礎研究と産学連携 ~フラボノイド生合成研究における私の体験~」 中山 亨 (東北大学大学院工学研究科バイオ工学専攻 教授) 14:25 – 14:55 「産学官連携による地域微生物資源を活用した新規健康支援食品の開発 ~ゴミからお宝を発掘~」 稲川 裕之 (自然免疫応用技研株式会社 取締役、NPO法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク 理事、香川大学医学部 産学官連携研究員) 14:55 – 15:10 休憩 15:10 – 15:40 「産学官連携による「食農の匠」育成プログラム -米沢産ウコギを例にとって-」 尾形 健明 (山形大学大学院理工学研究科 バイオ化学工学分野・MOT(食品創製)分野 教授) 15:40 – 16:10 「産学連携のススメvs産学分離のススメ」 冨田 房男 (北海道大学名誉教授、放送大学客員教授、(有)A-HITBio 社長、国際アグリ事業団日本バイオ情報センター代表(ISAAA, NBIC)) 16:10 – 16:15 おわりに |
報告
本シンポジウム「産学連携へススメ~大学の成果を社会に還元する秘訣とは?」は、日本農芸化学会 東北支部・北海道支部合同支部大会(東北支部第145回大会)において開催しました。
さんわか第4期メンバーによる趣旨説明の後、4名の講師の先生方からさまざまな視点で、大学・大学研究者の産学連携の活用方法を紹介いただきました。
東北大学大学院・中山亨先生からは、黄色花の分子育種の研究を例として、企業人、大学人としての経験を紹介いただきました。学と産の研究者が相補って研究を進められるヘテロで対等な関係を構築することの有効性・重要性が指摘されました。
自然免疫応用技研・稲川裕之先生のご講演では、大学研究の成果を事業・産業化まで持っていく道筋をマクロファージ活性化物質の探索研究を例にご紹介いただきました。研究会を設立され、行政の支援も受けながら、大学・NPO法人・ベンチャー企業の有機的なネットワークを構築していった成功例は多くの聴衆の注目を集めました。
続く山形大学大学院・尾形健明先生のご講演では山形大学が取り組む食農の匠(生産技術からマーケティングまでを総合的にマネジメントできる人材)育成プログラムが紹介されました。教育プログラムの構築・運営における、大学内での農、工、医、教育、人文分野の融合、県立大学校および民間企業、行政との連携が説明されました。
最後に(有)A-HITBio冨田房男社長(北海道大学名誉教授)からは、21世紀の大学の挑戦課題についての提案があり、大学と企業を結ぶ「発明のプロデューサー」「技術革新のプロデューサー」たる役割を担う機関の必要性が説明されました。
本シンポジウムは、約80名の方にご参加いただき、なかには多くの学生さんの姿も見受けられました。刺激的な講演内容にもかかわらず、講演時間・質問時間が充分に取れなかったのは残念でしたが、その後の懇親会・交流会では100名以上の参加者があり、活発な討論が続けられました。