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鈴木梅太郎博士について(東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻・応用生命工学専攻サイト)

2011年7月1日

鈴木梅太郎博士ビタミンB1発見100周年祝賀事業 趣意書

日本農芸化学会会長 太田 明徳

鈴木梅太郎博士

 日本農芸化学会の創設者で初代会長の鈴木梅太郎博士(東京帝國大学・東京農業大学・理化学研究所)は食品による脚気予防の研究途上、その有効成分を米糠中に発見してオリザニンと命名し、1911年に論文発表されました。しかも当時の栄養学説に一大欠陥のあることを見抜かれていた博士は、オリザニンが動物にとって不可欠の栄養素であることを“物証”によって示され、後世この物質はビタミン第1号(ビタミンB1)に帰属されました。1914年に博士がノーベル医学生理学賞候補に推挙された所以でもありましょう。

 オリザニンの発見とその栄養効果検証の過程は農芸化学が標榜する“基礎から応用まで”の学術規範を象徴するばかりではなく、草創期の日本の生命科学を彩る代表的研究といって過言ではありません。博士は、栄養教育・食糧行政・産業振興などにも多大の貢献を果たされ、1943年に農芸化学分野で最初の文化勲章を受けられました。

 近く公益法人化を目指す本学会は、その事業拡大の一環としまして、我々の偉大な先達のご業績を顕彰すべく彫像の作製、祝典の実施とともに、後進の学徒および一般社会の方々を啓発する記念シンポジウム「農芸化学の伝統と先端生命科学の進展」を開催する運びとなりました。

 この趣意にご賛同の上、積極的にご参加いただければ幸甚でございます。

鈴木梅太郎博士ビタミンB1発見100周年祝典・記念シンポジウム

主催:日本農芸化学会
共催:東京大学農学部・東京農業大学・理化学研究所・日本化学会・日本薬学会・日本ビタミン学会・静岡県牧之原市

日時:2011年11月25日(金)13:00~18:00
会場東京大学安田講堂

- 一般公開・入場無料 (開場:正午) - ※事前申込は不要です。(収容数 約1,100席)
 ※当日は鈴木梅太郎博士にゆかりの文書と物品を会場に多数展示いたします。

プログラム

13:00~13:10 開会の辞/日本農芸化学会長・東京大学大学院教授 太田 明徳

13:10~13:20 挨拶/東京大学副学長 清水 孝雄、東京大学農学部長 長澤 寛道

13:20~14:00 祝辞

東京農業大学学長・理事長 大澤 貫寿
静岡県牧之原市長 西原 茂樹
日本化学会会長 岩澤 康裕
日本薬学会副会頭 富岡  清
日本ビタミン学会常任理事 阿部 皓一
  ★★★
理化学研究所理事長・ノーベル化学賞受賞者 野依 良治

— 10分 休憩 —

記念シンポジウム「農芸化学の伝統と先端生命科学の進展」

14:10~14:45
1. はじめに—栄養科学から食品機能論・味覚分子論への推移を辿って/日本農芸化学会監事・東京大学大学院特任教授 阿部 啓子

14:45~15:20
2. 新時代の脂溶性ビタミン研究/東京大学教授 加藤 茂明

15:20~15:55
3. 健康をまもるABCタンパク質—ビタミンとトランスポーター/京都大学大学院教授 植田 和光

— 10分 休憩 —

16:05~16:40
4. 鈴木梅太郎研究室を引き継いで、広がる生物化学—匂い・フェロモンの生命科学—/日本農芸化学会理事・東京大学大学院教授 東原 和成

16:40~17:15
5. 理研時代の鈴木梅太郎博士/理化学研究所和光研究所長 小川 智也

17:15~17:50
6. 微生物が支えるビタミン類の工業生産/前日本農芸化学会会長・京都学園大学教授・東レ(株)先端融合研究所長 清水 昌

17:50~18:00
閉会の辞/日本農芸化学会副会長・協和発酵キリン(株)代表取締役社長 松田 譲

[実行委員会]
委員長:阿部 啓子
委員(50音順):安部 康久、佐藤 隆一郎、清水 誠、東原 和成、長澤 寛道、西山 真、日高 真誠、松田 譲、村田 幸作、吉川 博文、吉田 稔
顧問:荒井 綜一

鈴木梅太郎先生ビタミンB1発見 100周年シンポジウム  祝賀事業プログラムプログラム(PDF)はこちら