報告

日本農芸化学会2012年度大会にて産学官学術交流委員会フォーラムを産学官学術交流委員会と合同で開催しました。約200名の方にご参加いただき、大盛況なフォーラムとなりました。

第1部では、「第7回農芸化学研究企画賞受賞者最終報告会」として3名の先生にご講演を行っていただきました。いずれも大変興味深いご講演で、ご講演時間をもっと長くしてほしいという雰囲気が会場から伝わってきました。

続く第2部では、「産業界は、『農芸化学』に対してどのような研究と人材育成を望んでいるか?」と題したシンポジウムを開催しました。前半では、協和発酵キリン株式会社相談役 松田譲先生、池田糖化工業株式会社代表取締役社長 池田直之先生に経営トップの視点からご講演を行っていただきました。続くパネルディスカッションには、ご講演いただいたお二人の先生方に加え、理化学研究所の長田裕之先生にもパネリストとしてご参加いただきました。そして、産学官学術交流委員会担当理事の穴澤秀治先生の司会のもと、「農芸化学が真の実学として発展し続けるためには今何が必要か」をテーマとして、農芸化学に関する会場も巻き込んだ熱い議論が行われ、密度の濃い討論会となりました。

第3部からは、会場をA校舎地下に移して、第8回農芸化学研究企画賞受賞者中間報告会、および第6回農芸化学研究企画賞受賞者最終報告会の6題についてポスターの前での5分間のプレゼンテーションを行っていただきました。

そして第4部は、まず初めに乾杯を行って、その後18題の「ポスターディスカッション」を開催しました。各演者には順番に、内容について約1分を目安にプレゼンテーションを行っていただきました。今回のポスターディスカッションは、「産学官連携研究の実際~シーズ発掘から応用研究まで~」をコンセプトとして開催したことから、今後の農芸化学の産学官連携について考える良い機会になったと思います。また、乾杯とともに始まったこともあり、多くの交流が生まれ、今後の皆様の研究発展にも役立てたのではないかと感じております。

今回のフォーラムは、多くの方にご参加いただいたおかげで、大変大盛況となりました。また、技術交流会も多くの会社から飲料等をご寄贈いただいたお蔭で、技術交流会も盛大なものとなりました。ここに、改めて御礼申し上げます。ただ、要旨集を配布できなかった参加者がいましたこと、ポスターディスカッションに十分な時間を取れなかったことは今回の反省点として今後改善していきたいと思います。

また2013年度大会でもフォーラムを開催しますのでぜひ皆様ご参加ください。

*要旨集が必要なかたは、さんわかトップページのE-Mailにご連絡いただければ対応いたします。

さんわか勉強会15-1
(パネルディスカッションの様子)

主催 日本農芸化学会「産学官学術交流委員会」、「産学官若手交流委員会(通称:さんわか)」
日時 2012年3月24日(土)13:30開始(参加費無料)
会場 京都女子大学Q校舎301およびA校舎地下
プログラム 第1部(13:30~14:30)Q校舎301
第7回農芸化学研究企画賞受賞者最終報告会
  • 「寄生雑草の発芽を特異的に阻害するノジリマイシンの作用機構の解明と選択的除草剤への展開」
    岡澤敦司氏(大阪大学・大学院工学研究科)
  • 「減塩食品開発を目指して:天然物由来成分の塩味増強効果を定量的に評価するシステム開発」
    植野洋志氏(奈良女子大学・生活環境部)
  • 「品種の異なるオオムギに共生するメタノール資化性菌の網羅的ライブラリ作成と宿主生育促進効果の解析」
    谷明生氏(岡山大学・資源生物科学研究所)

第2部(14:45~17:00)Q校舎301
シンポジウム「産業界は、『農芸化学』に対してどのような研究と人材育成を望んでいるか?」
ご案内はこちら(PDF)
  • 講演:「経営トップから見た農芸化学」
    (1) 松田譲氏(協和発酵キリン株式会社・代表取締役社長)
    (2) 池田直之氏(池田糖化工業株式会社・代表取締役社長)
  • パネルディスカッション:「農芸化学が真の実学として発展し続けるためには今何が必要か」
    (司会)穴澤秀治氏(産学官学術交流委員会理事)
    (パネリスト)松田譲氏、池田直之氏、長田裕之氏(理化学研究所)

第3部(17:20~17:50)A校舎地下
第8回農芸化学研究企画賞受賞者中間報告会
  • 「フェアリーリング惹起物質からの植物成長促進剤の開発」
    河岸洋和氏(静岡大学・創造科学技術大学院バイオサイエンス専攻)
  • 「根圏作用を高度利用した次世代型環境浄化技術の開発」
    森川正章氏(北海道大学・大学院地球環境科学研究院生物圏科学専攻)
  • 「インジゴ還元酵素の機能解析による酵素建て染色法の開発」
    大島敏久氏(九州大学・大学院農学研究院生命機能科学部門)
第6回農芸化学研究企画賞受賞者最終報告会
  • 「天然型非天然化合物ライブラリの創製と医薬品リード化合物の探索」
    井本正哉氏(慶応義塾大学・理工学部生命情報学科)
  • 「交感神経を活性化するサイプレス材香気成分を活用した機能性食品フレーバーの開発」
    光永徹氏(岐阜大学・応用生物科学部食品生命化学)
  • 「“乳酸バイオポリマー”生産用微生物工場の開発研究」
    田口精一氏(北海道大学・大学院工学研究科)

第4部(18:00~20:00)A校舎地下
  • ポスターディスカッション(産学官連携研究の実際・シーズ探索から応用研究まで)&技術交流会(懇親会)
※第4部は飲料を手にしながらの交流会形式となっております。皆様奮ってご参加ください。
問い合わせ先 産学官若手交流会 E-mail