産学官若手交流会(さんわか)4期より御礼のごあいさつ

 3月の東日本大震災により、2011年度日本農芸化学会京都大会が中止となりました。このため、産学官学術交流委員会フォーラムを、中止させていただくことになりました。
我々さんわか一同、本フォーラムで予定されていましたシンポジウムやポスターディスカッションの企画・準備におきまして、並々ならぬ意気込みをもって取り組んで参りました。
シンポジウムでは、「産業界は、大学の「農芸化学」に対してどのような研究と人材育成を望んでいるか?」と題し、農芸化学ご出身で現在経営トップとしてご 活躍されている先生方(松田 譲 社長(協和発酵キリン株式会社)、池田 直之 社長(池田糖化工業株式会社))にご講演をお願いしておりました。現在の農芸化学に対する本音を伺い、企業が大学の農芸化学の研究・人材育成に何を望むか 講演いただき、フロアとディスカッションしながら、将来の農芸化学の目指すべき姿を考察することを企画しておりました。
ポスターディスカッションは、「高付加価値化のススメ」というタイトルにて、新しい価値の創造を目指した創意工夫・産学官連携による研究開発の推進につい て、さんわかが独自に全国から選出しました21例を紹介し、実学としての農芸化学が高付加価値化に役立っていることを、改めて知り学ぶという企画でした。
残念ながらご講演、ご発表をお聴きすることができませんでしたが、本企画にご賛同くださいました皆様に、心より感謝申し上げます。
また、本フォーラム、特に交流会を楽しみにされていた方もいらっしゃったかと思います。今後再び、意見交換や交流する機会に恵まれましたら、幸いでございます。

  これをもちまして、さんわか4期の2年間の活動は終了となりました。最初は何をしてよいのかまったくわからないなか、アイディアや人脈をひねりだし、市民 フォーラムをはじめとする新しい試みに取り組んでまいりました。その過程で我々の未熟さを痛感する場面もありましたが、ご講演の先生方、関係の皆様の励ま しやご助力により、大きな成果をあげることができました。この場を借りまして、深く御礼申し上げます。
特に、農芸化学会東北支部の皆様、および東北の関係の皆様には、2回のさんわか企画への温かいご理解とご支援を賜りましたことに、心より感謝申し上げま す。大震災での被害は甚大で、現在もなお、ご研究やお仕事に支障があることと思います。心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早いご復興をお祈りい たします。

  現在、5期の新メンバーでの活動が始まり、企業、大学、研究所の垣根を越えた交流の輪が広がっています。
今後、このような産学官一体となっての活動の重要性は一層増すのではないかと思われます。さんわかの活動が将来、農芸化学のさらなる発展として実を結び、日本を元気にする希望の光として貢献できることを祈念してやみません。
  今後とも、産学官若手交流会さんわかの活動に変わらぬご理解とご協力をいただけますよう、お願い申し上げます。

平成23年7月5日
産学官若手交流会(さんわか)第4期一同

2011年度 日本農芸化学会 産学官学術交流委員会フォーラム
(第7回農芸化学研究企画賞受賞者中間報告会、シンポジウム、
第6回農芸化学研究企画賞受賞者最終報告会・ポスターディスカッション、交流会)

 

主催 社団法人日本農芸化学会「産学官学術交流委員会」、「産学官若手交流会(通称:さんわか)」
日時 2011年3月26日(土)13:30~20:30
場所 京都女子大学(京都市)
プログラム ■第1部 第7回農芸化学研究企画賞受賞者中間報告会

13:30~13:50
「寄生雑草の発芽を特異的に阻害するノジリマイシンの作用機構の解明と選択的除草剤への展開」
岡澤 敦司 氏(大阪大学・大学院工学研究科)

13:50~14:10
「減塩食品開発を目指して:天然物由来成分の塩味増強効果を定量的に評価するシステム開発」
植野 洋志 氏(奈良女子大学・生活環境学部)

14:10~14:30
「品種の異なるオオムギに共生するメタノール資化性菌の網羅的ライブラリ作製と宿主生育促進効果の解析」
谷 明生 氏(岡山大学・資源生物科学研究所)

■第2部 シンポジウム「産業界は、大学の「農芸化学」に対してどのような研究と人材育成を望んでいるか? 」
ご案内はこちら(PDF

14:45~15:15
池田 直之 氏(池田糖化工業株式会社 代表取締役社長)

15:15~15:45
松田 譲 氏(協和発酵キリン株式会社 代表取締役社長)

15:45~17:00
パネルディスカッション
司会:石井 茂孝 氏(産学官学術交流委員会委員長)
パネラー:松田 譲 氏、池田 直之 氏、幹 渉 氏(産学官学術交流委員会担当理事)

休憩、会場移動

■第3部 第6回農芸化学研究企画賞受賞者最終報告会・ポスターディスカッション

○第6回農芸化学研究企画賞受賞者最終報告会

17:20~17:25
「天然型非天然化合物ライブラリーの創製と医薬品リード化合物の探索」
井本 正哉 氏(慶応義塾大学理工学部・生命情報学科)

17:25~17:30
「交感神経を活性化するサイプレス材香気成分を活用した機能性食品フレーバーの開発」
光永 徹 氏(岐阜大学応用生物科学部・食品生命科学)

17:30~17:35
「乳酸バイオポリマー」生産用微生物工場の開発研究」
田口 精一 氏(北海道大学大学院・工学研究科)

○ポスターディスカッション

17:40~18:20
ポスター紹介「高付加価値化のススメ」

第4部 交流会(ミキサーと合同開催)
18:30~20:30