2011年度大会の措置について
2011年4月4日
各 位
社団法人日本農芸化学会
会長 清水 昌
去る3月11日に発生した東日本大震災で被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、 亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。被災された地域の一日も早い復興をお祈り申し上げます。また、福島第一原子力発電所の深刻な事故は、非常事態が依然続いております。事態を収束させるべく対策に当たっておられる方々に深く感謝の意を表しますとともに、近隣にお住まいの方々の安全を心より願っております。
社団法人日本農芸化学会は、約2年半もの歳月をかけて2011年度京都大会の開催準備を進めてまいりました。しかしながら、未曾有の大震災によって東北から関東の広い範囲に渡って尋常ならぬ被害が起こっている状況を考慮し、直前になって大会の発表中止を決断し発信いたしました。一般講演やシンポジウム、あるいはジュニア農芸化学会で講演予定であった方々、展示会も含めて参加予定されていた方々、大会の準備にあたり多大なご尽力をいただきました大会実行委員会の方々には、大変申し訳ないことでございますが、この未曾有の大震災を斟酌賜りご了承いただきますようお願い申し上げます。また、大会中止の連絡は、郵便、FAX、Web及びメール配信のあらゆる手段を介して出来る限り迅速にお伝えしたつもりでおりましたが、一部の方々には確実には行き届かず、大変ご迷惑をお掛けいたしました。この場を借りて心からお詫び申し上げます。
さて、2011年度大会の措置について、これまでに本会Web上で様々な報告をさせていただいておりますが、現時点までに決定している対応方針をご報告申し上げます。
2011年度大会は、口頭発表および質疑が出来ませんでしたが、既に大会講演要旨集を2011年3月5日付けで発行し、2011年3月10日に発送手続きを終えております。また、特許庁と国会図書館には納本済みで、本大会での発表は法的に成立していることから、本会と致しましては、2011年度大会の発表は成立したものとさせていただきます。ただし、事前に発表取り下げ希望のあった2J15p14, 2J15p15, 2C34p10の一般講演につきましては発表がなかったものといたします。
このような事情で、今回の事前参加登録者には大会講演要旨集だけをお送りすることになりますので、大会講演要旨集だけの販売はいたしません。事前参加登録者以外の方で大会講演要旨集をご希望の方には、公平性を考慮し、事前参加登録費と同額をお支払いいただくことで参加者として大会講演要旨集を配布いたします。送付先住所・氏名を明記の上、学会事務局宛にE-mailにてご連絡ください。(くわしくは4月6日付け発表の「2011年度大会の大会講演要旨集の販売について」のページをご参照ください。)
なお、大震災の影響で、事前参加登録者の方々への大会講演要旨集の配送が滞っておりますが、配送事情が好転しましたら、確実に皆様のお手元に届きますので、到着までお待ちいただきますようお願い申し上げます。
大会が成立したことによりまして、他学会と同様の措置を取り、事前納入済みの「大会参加費」はお返ししないことといたしました。この点に関しては、疑問をお持ちの方々も多いと思いますが、この「大会参加費」は、準備に要した経費や違約金等の支払いに充てさせていただきました。収支については改めてご報告申し上げますが、「大会参加費」が使途の限定されている公費等で支払われている場合を考慮し、それを東日本大震災の義援金や他の使途に転用することは適切でないと判断いたしました。従いまして、収支差額がプラスとなった場合は、別の形で本会会員の皆様に有益となるような方法を検討いたします。
事前納入済みの「懇親会参加費」は、3つの方法(①東日本大震災の義援金への転用、②年会費への転用、③振込みによる返金)で返却させていただくことといたしました。現在、該当者のご意向を取りまとめております。義援金の総額および送付先等につきましては、改めてご報告申し上げます。
大震災が発生し大会中止を発表して以来、会員の皆様からは、被災地への支援のお申し出や、今回の大会の措置に対する温かいメッセージなどを多数お寄せいただきました。被災された会員の方々に対しては、年会費減免等の特別な措置を講ずる予定ですが、被災地における罹災証明の取得が可能となる段階で、改めてお知らせいたします。
すべてが、まことに異例の措置ではございますが、現今の状況下における本会の窮状をご斟酌賜りご了承いただきますよう、何卒お願い申し上げます。