第56回 農芸化学会 サイエンスカフェ
概要
日時 | 2013年1月12日(土) 13:00~15:30 |
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場所 | 東北大学片平さくらホール(宮城県仙台市青葉区片平2-1-1) |
テーマ | 非常食(災害食)を身近に感じるために |
講師 | 伊藤 秀朗 氏 (尾西食品(株) 製造部長)、高力美由紀 氏(宮城大学事業構想学部 教授)、庄子真樹 氏(宮城県産業技術総合センター 食品バイオ技術部 研究員) |
コーディネーター | 池戸 重信 氏(宮城県産業技術総合センター 副所長) |
共催 | 尾西食品(株)、日本農芸化学会東北支部、財団法人農芸化学研究奨励会、日本学術会議農芸化学分科会 |
後援 | 宮城大学 |
内容 | 講演1:アルファ米の製造技術と活用方法について(伊藤氏) 東日本大震災では、食の確保が非常に重要であることを再認識させられた。被災地ではライフラインが復旧するまでは、栄養摂取が十分とは言えない食生活が続いた。一方、関東圏でも震災時、食の安定確保が危ぶまれ、特に企業体における被災者(帰宅困難者を含む)のケアが重要であることが明らかになった。本講演では、非常食であるアルファ米の特徴と、備蓄するための非常食に求められる価値について紹介したい。 講演2:被災地における災害食のニーズと地元農産物を活用する課題(高力 先生) 非常時に非常食が重要であることは間違いないが、備蓄となると保管場所の確保や利用頻度の少なさから、各家庭で十分備蓄されている状況では無い。災害食は、災害時の被災食としても使用でき、かつ平常時にも利用しやすい食品として考えており、災害食の普及が将来的な震災対策に重要と考える。本講演では、地産地消の観点から、地元農産物を利用した災害食の開発に関して、課題と展望を述べる。 試食:アルファ米の試食(庄子氏) |
参加費 | 無料 |
申込先 | 東北大学大学院農学研究科 仲川清隆まで TEL:022-717-8906、E-mail:nkgw @ biochem.tohoku.ac.jp |
ポスター
会場風景
写真1
写真2
報告
本サイエンスカフェには、一般の皆様や地元企業の方々が多くご参加下さいました。講演の様子は写真1をご参照ください。
非常食の試食では、アルファ米の試食(写真2)に加え、当日参加の有限会社菅原商店の方がアルファ化米粉に水を加えるだけでもちとなる「みやぎのもちっ粉」を、また森永製菓株式会社の方が防災備蓄用チョコレート「ベイク缶」を持参下さり、試食会は盛況となりました。
ご参加頂いた皆様、試食を提供下さった企業様にお礼申し上げます。ありがとうございました。
最後に以下の感想をいただきましたので、紹介させていただきます。
- 一般人ですが、大変興味深いお話でした。尾西食品の成り立ちやアルファ米ができた経緯が特に面白かったです。アルファ米の需要や意義は震災後広く知られることになりましたが、実際に被災した人とそうでない人ではアルファ米についての認識が違うと思います。アルファ米について大人だけはなく、子供たちにもっと教えてあげて欲しいと感じました。「被災食」というイメージがもしかしたら先行していると思われますが、宇宙食、携帯食として活用されている事や、味も美味しい事など、アルファ米の誕生の起源が戦争であることなど、とても面白いお話として子供にも受け入れられるはずです。備えあれば憂いなし、という事を大人だけではなく、むしろ子供たちにアルファ米を通して教育してあげて欲しいです。
- 先日の講演会に参加させていただいた主婦です。特に印象に残ったことは、被災食を生産するにあたり地域の食物でまかなう可能性や「被災食でもなるべく美味しく」という考え方です。被災食を我慢して食べるのではなく、大変な状況でこそなるべく美味しく栄養のあるものを食べることが活力になるという意見に賛成です。今後の被災食、携帯食の発展を期待しています。