第19回 農芸化学会 サイエンスカフェ
ご参加頂いたみなさま、ありがとうございました。
概要
日時 | 2009年8月1日(土)15:00-16:30(予定) |
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場所 | 三省堂書店札幌店内BOOKS&CAFE(UCC) |
テーマ | 植物を支える微生物のはなし |
講師 | 北大大学院農学研究院・教授 橋床泰之氏 |
コーディネーター | 北海道大学大学院農学院 応用生物科学専攻 修士課程2年 前田 麻起子氏 |
共催 | 財団法人農芸化学研究奨励会、日本学術会議農芸化学分科会、三省堂書店 |
内容 | 現在の食糧生産の多くは、石油や石炭のエネルギーから工業的につくられる化学肥料に依存している。そのため、近未来に石油資源が枯渇したあとの窒素肥料の供給方法については今から考えておく必要がある。そのひとつが、植物の生産性を支える微生物に目を向け、それらの役割を解明することである。 シベリアタイガ林や熱帯多雨林は地球の肺とも呼ばれる広大な森林であるが、これら森林の樹木は小さな微生物の支援を受けて初めてそのバイオマスを維持することができる。伐採や森林火災で荒廃した森林が速やかに再生する現場でも、樹木はありふれた微生物の助けを受けている。荒廃した森林跡地の森林への再生や未利用荒れ地の農地への転換のためには、このような微生物と植物との関係を理解することが重要である。 植物の生育に関与する微生物の一群は、植林地やプランテーション、あるいは果樹園などに留まらず、穀物や野菜などの農業生産現場においても微生物肥料や微生物農薬としての展開が図られようとしている。植物と微生物の間にもまだ明らかにされていない関係性がいたるところに潜んでおり、我々が自然生態系から学ぶべきことは山ほどある。それらの最新の知見について解説する。 |