第6回 農芸化学会 サイエンスカフェ
ご参加頂いたみなさま、ありがとうございました。
概要
日時 | 2007年7月28日(土) 午後3時より4時10分まで |
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場所 | 三省堂書店神保町本店2階 喫茶「ピッコロ」 |
テーマ | 『生命とは何か』を再考する |
講師 | 福岡伸一氏 青山学院大学 教授 |
講師略歴 | 1959年、東京生まれ。京都大学卒。米国ロックフェラー大学およびハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授を経て、現在、青山学院大学・理工学部教授。分子生物学専攻。 研究テーマは、狂牛病感染機構、細胞の分泌現象、細胞膜タンパク質解析など。専門分野で論文を発表するかたわら一般向け著作・翻訳も手がける。 近作に、狂牛病禍が問いかけた諸問題について論じた『もう牛を食べても安全か』(文藝春秋社、科学ジャーナリスト賞受賞)、『プリオン説はほんとうか?』 (講談社ブルーバックス、講談社出版文化賞受賞)、Y染色体の由来と未来を展望した翻訳書『Yの真実 危うい男たちの進化論』(化学同人)、史上最もエキセントリックなノーベル学者の自伝『マリス博士の奇想天外な人生』(ハヤカワ文庫)、リチャード・ドーキンスの近著『虹の解体』(早川書房)など |
コーディネーター | 元村有希子氏 毎日新聞科学環境部 |
共催 | 三省堂書店 |
内容 | このほど、『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)という本を書きました。 これはわたくしが、なぜ、生命という現象に興味を持つに至ったのか内省的に振り返りつつ、あまねく世界に浸透している機械論的な生命観の由来と成り立ちをいま一度、批判的にあとづけたものです。生命を機械論的に捉える考え方が、狂牛病問題や遺伝子組み換え、臓器移植を是とする通奏低音となっており、それらをめぐる諸問題の前でわたくしたちは判断の規準を見失っているかのようです。 わたくしは、ここで古くて新しいパラダイムのルネサンス(復興)を論じたいと考えました。動的平衡論に基づく有機的な生命観です。本書は、現時点でわたくしが考えるところの"生命とは何か"について、可能な限りのベストを尽くして書きました。 今回のお話では、狂牛病が問いかけた問題を手がかりに、皆さんと共に上に述べた考えを更に深めて行きたいと思います。 |
参加費 | 500円 |
参加者の方のご意見
- 講師の先生方はいずれもご多忙の方ばかりであろうところ、難しい望みであることは存じておりますが、やはりもっと長い時間の会となっていればより深い内容についても議論する余裕があり得たのではなかろうか、と愚考します。狭い会場ではありましたが(率直に申し上げてしまい恐縮です)間近な感じがあり、非常によかったと思います。
- 進め方としては前回までのような前半にパワーポイントで紹介して後半にQ&Aというような構成が良かったように思います。Q&Aのコーナーが楽しみでもあるので、そこで質問ができるような話が今回のものでは探せなかったかと思います。ですが、話自体は非常に面白かったと思います。
- とてもお話がわかりやすく身近な話題も多くて面白かったです。前回、話の途中で飲み物を配るのはという意見が出ていたので休憩をはさんだのだと思うのですが、飲み物を配るのに時間が取られているようでもったいなく感じました。
- 「生命」の広さ、奥深さがあったと思う。短い時間だったので知りたい事も何となく中途半端な気がした。でも面白く為になった。年を取ると1年が早く(速く)感じるのがどうしてか?理解ができて良かった。