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3章 脂質

1.脂肪酸とは
【解説】
●脂質とは
 「脂質」は、糖質(炭水化物)およびタンパク質とともに、生体や食品の主成分の1つです。脂質は、エネルギー貯蔵や生体膜成分として機能し、その化学構造の違いによって脂質の性質はきわめて多岐に渡ります。一般に、脂質は「水に溶けず、有機溶媒に溶け炭化水素鎖を持つ化合物で、生物体に存在するかまたは生物体に由来する天然物質」と定義されます。

●脂肪酸
 炭化水素鎖を持つカルボン酸を「脂肪酸」といいます。脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大別されます。飽和脂肪酸には二重結合がなく、動植物界に広く分布し、動物脂肪には炭素数16のパルミチン酸が多く含まれています。不飽和脂肪酸は分子内に二重結合を持つものをいい、二重結合数が2個以上のものを多価不飽和脂肪酸といいます。不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、アラキドン酸、EPA:エイコサペンタエン酸、DHA:ドコサヘキサエン酸)は植物油や魚油に多く含まれており、二重結合の位置により、n-6系(リノール酸、アラキドン酸)とn-3系(α-リノレン酸、EPA、DHA)の脂肪酸に分類できます。免疫系をはじめ、さまざまな生体内反応に対して、n-6系とn-3系は互いに拮抗的に働きます。

【用語説明】
n-6系、n-3系
 炭化水素鎖の末端のメチル基(-CH3)から数えて、6番目の炭素に二重結合が最初に存在する脂肪酸を、n-6系、3番目の炭素に二重結合が最初に存在する脂肪酸をn-3系と呼びます。

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